注口土器ずらり 是川縄文館で企画展/八戸

きれいな形で出土した是川遺跡の注口土器が数多く並んでいる企画展

 世界遺産登録を目指している北海道・北東北の縄文遺跡群の一つになっている青森県八戸市の是川遺跡から出土した「注口(ちゅうこう)土器」の企画展が5月5日まで、同市埋蔵文化財センター是川縄文館で開かれている。400点以上ある出土品の中から形や模様がきれいな143点を展示。担当者は「是川遺跡の縄文の美を感じてほしい」と呼び掛けている。

 同館によると、急須のような注ぎ口がついた注口土器は縄文時代の主に後期や晩期の東日本で多く作られた。日常的に使われるものではなく、祭祀(さいし)や儀礼用の器と考えられている。

 今回は、是川遺跡を構成する一王寺遺跡、堀田遺跡、中居遺跡のうち約3千年前の縄文時代晩期を中心とした中居遺跡の出土品を紹介している。中居遺跡の注口土器は器の表面を丁寧に磨き上げていたり、漆を塗ってつやを出したり、赤色で彩色するなど美しいものが多く見られる。透かし彫りの飾りが施されたものもある。

 同館の落合美怜(みさと)主事兼学芸員は「注口土器には縄文人の特別な思いが込められているのではないか。一つ一つの模様や形が異なっているので、じっくり見てほしい」と話している。

透かし彫りも施されたデザイン性の高い注口土器

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