向山駅ミュージアム7カ月ぶり再開/おいらせ

改装が進むジオラマ、中央は中村会長

 青森県おいらせ町の青い森鉄道・向山駅駅舎内にあり、新型コロナウイルス予防のため休館していた「向山駅ミュージアム」が今月4日、約7カ月ぶりに一般公開を再開した。運営する地域おこし団体「向山駅愛好会」は休館を逆手に取り、目玉展示品のジオラマの改装に着手していた。「よみがえれ」という願いを込めた製作途上のジオラマが、住民や鉄道ファンを夢中にさせている。

 「新しい模型ができていてびっくり。動いているのを見ていると楽しい」。今月11日、父親とミュージアムを訪れた沼崎結哉(ゆうや)君(木ノ下小2年)は興奮気味。新幹線「はやぶさ」「はやて」や、青い森鉄道の車両、貨物列車の模型が一般公開の再開を待ちわびたように走行している。

 愛好会は2012年2月に発足、旧国鉄時代などの資料を集めた「向山駅ミュージアム」を開設した。今年はコロナで3月1日から休館、例年6月に開いてきた催事も中止に。中村淳悦会長は「開催できず無念。会員の思いの詰まったイベントだけに『本当に悔しい』という声が多かった」と振り返る。

 再開後に向け、何ができるのか-。役員らが議論する中で出てきたのが、ジオラマの改装。2022年の駅開業100周年と愛好会発足10周年に向け、以前から企画していたが、ピンチをチャンスととらえ休館中に作ることになった。

 メンバー5人が作業に着手したのは5月上旬。ジオラマを解体、一部素材を再利用して土台を作り替え、その上に線路を敷き電気の配線を進めた。広々と車両を見せられ、メンテナンスがしやすく、作るのが楽しいジオラマ-を目指した。

 土台は高さ約1メートル、上から見ると外周約13メートル。製作メンバーの1人、愛好会の吉田健志副会長は「一生に一度の大仕事。常設でここまで大きいものはなかなかないはず」と力を込める。

 9月中旬には線路の敷設が終了。今後、建物や山、草木の設置作業が始まる。中村会長は「遅くとも愛好会発足10周年までには完成させたい」と話す。

 無人駅をミュージアムによみがえらせた愛好会。このほか愛好会は、10周年記念誌の編さんや動画配信も準備中。駅舎内に眠っている資料を公開する構想も描いている。中村会長は「これからも会員たちと楽しみながらミュージアムを充実させていきたい」と話している。

 ミュージアムの従来の開館日は土、日曜と祝日だったが、現在は日曜のみ。開館時間は午前10時~午後4時。

向山駅ミュージアムの館内。さまざまな展示品が並ぶ

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