古代の命が今年も大輪、大賀ハス移植から50年

薄桃色の花を咲かせている大賀ハス=19日

 青森県八戸市新井田の対泉院で、弥生時代の種子から成長した古代ハス「大賀ハス」が同院の貴福池に植えられてから半世紀がたった。1971年に初めて開花して以来、毎年8月には薄桃色の花が咲き、訪れる市民たちの心を和ませている。

 大賀ハスは、ハスの研究で世界的に知られる故大賀一郎博士が1951年、千葉市で2千年前のものと想定される種子を掘り当て、発芽させた。資金難から採掘作業が中断に追い込まれそうになったとき、八戸市の建設会社社長が費用を援助した縁から、69年に同市是川にある清水寺の池に株分けされた。ところが池の水が冷たく枯死。70年に対泉院へ移植されると順調に根づき、翌年8月に開花した。

 以来、毎年8月には、古代ハス特有の一重咲きでやや細長い二十四弁の花を咲かせている。ハスの名前も博士の姓にちなみつけられた。

 19日、貴福池では生い茂るハスの葉の間に独特の形の花弁が広がっていた。同市の長宝貞さん(67)は、孫の大町妃舞莉さん(9)、心菜さん(6)姉妹と墓参りの帰りに立ち寄った。心菜さんは「毎年見に来ています。ピンク色の花が好きなのでハスの花も好き」と話した。

 上田〓悦住職によると、大賀ハスの成長に衰えはなく、毎年たくさんの花が開いているという。一方で、1991年の冷夏では一輪も花が咲かず、「これで途絶えてしまうのか」と気をもんだこともあった。「2千年以上前の命がつながっていることに感謝したい」と上田住職は語る。

 今年は少し遅めで、4日ごろから咲き始めた。つぼみが続々出ているので、秋彼岸ごろまで楽しめそうだという。早朝から訪れる人や、椅子に座り30分以上眺めている人も多いといい、上田住職は「今年はコロナの影響で、みなさんストレスが多いと思う。大賀ハスが少しでも癒やしになれば」と話している。

※〓は祥の「ネ」が「示」


1970年に対泉院に植えられた大賀ハスは順調に育ち、3年後にはたくさんの花が咲いて市民を驚かせたという=1973年

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