現代の刀匠が制作した刀や太刀などが並ぶ展示室

 青森県八戸市南郷歴史民俗資料館で、開館40周年記念特別展「現代刀匠展-伝統技術の粋-」が開かれている。現代の刀匠が手掛けた美術的価値の高い日本刀をはじめ、八戸藩に召し抱えられた鍛冶職人が幕末に作った刀などを展示し、日本刀の歴史と伝統を解説している。9月6日まで。

 同館と全日本刀匠会北海道東北支部の共催で、日本美術刀剣保存協会八戸支部が特別協力した。

 会場には弘前市の二唐國吉さんや北海道、岩手、宮城、福島の刀匠計7人が制作した刀、太刀、短刀、脇差し(蕨手(わらびて)刀)、刀子17点を展示。刃と峰が逆の架空の刀「逆刃刀」を現代の刀匠が再現した作品や、日本刀の材料となる玉鋼も紹介している。

 また江戸時代末期に八戸藩士の人気を集めた精壮斎宗有(せいそうさいむねあり)(本名・鈴木次郎)やその弟子の精光斎宗重(せいこうさいむねしげ)(柏木源吉)が作った刀3点を展示。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)に接収され、後に八戸市博物館に譲与された「赤羽刀」についても説明している。

 同展には刀剣愛好者に加え、女性や子どもも来場しているという。

 同館の中尻貴之主事兼学芸員は「刀匠によって刃文(はもん)(刀身の模様)や反り具合などに違いがある。普段刀を見る機会がない方にも楽しんでもらいたい」と話した。

 同館は1980年10月、旧南郷村歴史民俗資料館として開館。昭和時代をテーマに、戦時中の資料や当時の電化製品などを常設展示している。

江戸時代末期、精壮斎宗有が八戸藩士・中里幸環の依頼で作ったとされる刀

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