小牧野遺跡の環状列石、防カビ剤塗り保存

環状列石の石に一つ一つ丁寧に防カビ剤を塗っていく市教委職員

 世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ、青森市野沢の国史跡「小牧野遺跡」で、環状列石に防カビ剤を塗る作業が6日、始まった。約2900個ある石のうち、地表に露出している約1600個が対象。青森市教育委員会文化財課の職員3人が、ひび割れの有無など石の状態を一つ一つ確認しながら、丁寧に塗っていった。

 防カビ剤は、カンボジアの石造寺院アンコールワットの保存法としても使われているもので、塗布は2012年以来2回目。06~11年の試験で、5年程度は効果があることを確認していたが、近年、黒カビが目立つようになってきたため、本年度改めて塗布することにした。

 黒カビが繁殖すると、石の表面が黒ずんで景観を損ねるほか、劣化を招く恐れもあるという。

 6日は青空の下、職員が石の現状を写真に収めながら、はけを使って、地表に出ている部分全体に防カビ剤を次々と塗っていった。効果が出るまで数カ月かかる。天気の様子などを見ながら6月中に残り2日ほど作業する予定。

 同課の児玉大成主幹は「石の状態を確認するのも作業の目的。数カ月後には石がきれいになっているので、ぜひ遺跡に足を運んでほしい」と話した。

筋のように石に繁殖した黒カビ

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