青森県の旅オーダーメード、海外富裕層に照準

工藤さん(左)からこぎん刺しを教わる北海道宝島旅行社の担当者ら=2019年12月19日、五所川原市のカフェ・ド・アミィ

 青森県観光連盟は、旅行客が体験型コンテンツを自由に組み合わせることができるオーダーメードのツアー販売に向け、準備を進めている。欧米などの富裕層をターゲットに、青森ならではの文化を通訳ガイド付きで学べる高単価な商品として売り出し、観光事業者の収益増につなげたいとしている。

 同連盟は2018年4月に旅行業へ参入。クルーズ船で来県した観光客向けに青森市周辺を3~6時間で巡るツアーなどを販売してきたが、短い滞在時間で、地元の観光事業者や商店街の収益につなげることが課題だった。そこで、新たなツアーを通じ、滞在日数や消費額が多い欧米豪のほか、シンガポールなどアジア英語圏の旅行客の需要を掘り起こしたい考えだ。

 オーダーメードのツアー販売には、札幌市の旅行会社「北海道宝島旅行社」がノウハウを提供。同社は欧米や東南アジアの富裕層をターゲットに、2人組のカップルから20人連れの団体まで年間数百組にオーダーメードでツアーを販売している。

 昨年12月17~19日には、同社担当者が県内でツアーの素材を体験した。五所川原市のカフェ「カフェ・ド・アミィ」では、こぎん作家の工藤夕子さんの指導でこぎん刺しを体験。同社の担当者は「こぎん刺しの歴史や模様の意味合いなどを学ぶ時間がもっとあるといい。青森でしか体験できないということをアピールするのが大事」とアドバイスした。このほかにブナコ製作、津軽三味線、宿坊、十和田湖でカヌー、八甲田の吹雪体験などがツアーの素材として挙がっている。

 同連盟観光振興グループの大庭一郎マネージャーは「ツアーを販売する県観光連盟では、担当者の語学力やコーディネート力などが課題になってくる。人材育成にも力を入れていきたい」と話した。ツアーは、同連盟のホームページなどで本年度中に販売する予定。

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