【連載うまい森・味めぐり】津軽の桃で目指せ1億/平川

集出荷施設に集まった「川中島白桃」の色や形を確認しながら丁寧に箱詰めする女性作業員=平川市・津軽みらい農協平賀東部りんごセンター

 「津軽の桃」は、青森県平川市に本店を置く津軽みらい農協の地域団体商標。本格栽培が始まって15年ほどだが、国内最北のモモを他県の競合産地よりも遅く出荷できる地の利を生かし、県外市場に浸透した。同農協の販売額は2018年産で約7200万円まで増え、1億円達成を視野に入れるところまで来ている。

 県内のモモは三八地域が中心だったが、近年は中弘南黒の増加が目立つ。きっかけは、早生リンゴの価格低迷だった。

 04年に平賀町(現平川市)のリンゴ農家ら12人が、経営リスクを避けるためモモの生産組織を設立。中弘南黒エリアを中心とする広域合併で発足した津軽みらい農協の「もも生産協議会」の母体となった。現在の協議会は約80人、栽培面積は合計約15ヘクタール。平川市内の農家が多くを占める。

 市内にある農協産直センター・ひらかアグリアスに立ち寄ると、化粧箱に入ったピンクの津軽の桃が、行儀よく並んでいた。残暑の中を訪れた買い物客には、冷たい津軽の桃ソフトクリームやサイダーも人気だ。

 「今夏は干ばつで玉伸びは抑制されたが、甘味は十分。残暑が厳しければ需要も高まるはず」と話すのは同農協りんご野菜課の長内穣係長。品種は「あかつき」「まどか」から、いよいよ主力の「川中島白桃」の時期を迎えた。販売額1億円突破への願いが込もる。

▼「リンゴ栽培の技生きる」/長尾忠行市長

 平川市には、日本一のリンゴ産地・青森県で最も優れた生産者組織として、これまで何度も表彰された団体があります。リンゴで磨かれた果樹栽培の技が、高品質な「津軽の桃」づくりにも生かされているのです。

 これから出回り始める主力品種「川中島白桃」をはじめ、当地のモモは果肉がしっかりしていて、ジューシーで甘味たっぷり。県と共に友好交流協定を結んでいる台湾・台中市の方々にも、モモ収穫体験が人気です。

 市内には国名勝・盛美園や猿賀神社などの名所があり、焼肉を新グルメに育てようという有志で「平川サガリ研究会」が発足しました。平川ねぷた、あどの祭りも充実させ、ゆっくり泊まって豊かな食を楽しめる環境づくりを進めたいですね。

▼冬を彩る幻想的な光/11月からイルミネーション

 冬の平川市を彩る恒例イベント「ひらかわイルミネーションプロムナード」は11月22日にスタート。平賀駅前通りと中央公園を発光ダイオード(LED)で照らすほか、駅前広場は台湾・台中市から取り寄せたカラフルなランタンで幻想的な雰囲気に包まれる。今回はランタンを昨年より100個以上多い300個余りに増やし、展示場所も延長することにしている。

 同イベントは来年2月15日まで。問い合わせは市商工観光課(電話0172-44-1111)へ。

平川市長・長尾忠行

色鮮やかな台湾のランタンも登場するイルミネーション

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