【連載うまい森・味めぐり】新鮮! ヒラメのヅケ丼/鯵ケ沢

ぜいたくに西海岸産の生ウニを添えたヒラメのヅケ丼(居酒屋「良治」のランチメニュー)。町内各店で違った味が楽しめる

 2011年に誕生した青森県鯵ケ沢町の名物グルメ「ヒラメのヅケ丼」は、年間3万~4万食を売り上げる人気メニュー。世界自然遺産・白神山地から注ぐ清流と日本海の荒波に育まれた鮮度抜群の素材が、最大のセールスポイントだ。

 ヒラメは日本海、津軽海峡、太平洋に面した青森県の沿岸各地で漁獲され、全国屈指の水揚げ量を誇る。1987年には県の魚に指定された。

 2010年の東北新幹線・新青森駅開業をきっかけに名物グルメを開発しようという機運が県内で高まる中、鯵ケ沢町地域資源活用推進協議会は、1年を通じて水揚げされる新鮮なヒラメを主役にした「ご当地丼」を、町内の飲食店で提供することにした。

 ヒラメのヅケ丼を提供しているのは町内10店。淡泊で上品なヒラメの味わいを生かしつつ独自のアレンジを加えている。

 鯵ケ沢駅前にある居酒屋「良治」の場合、濃い口のゴマだれに漬けたヒラメを熱々ご飯が隠れるまでのせ、さらに生ウニを添えてボリューム感を出している。店長の葛西幸治さん(32)は「ヒラメは前日に仕入れ、町内産のコメと野菜を使うのがこだわり。各店のヅケ丼を食べ比べるのも楽しいですよ」と話す。

 ヅケ丼には手軽な弁当スタイルの商品も。町内のスーパーや五所川原市エルムの街ショッピングセンターなどで買える。

▼「地酒と一緒に味わって」/平田衛町長

 漁師だったわが家では、昆布締めしたヒラメの刺し身を、生卵を溶いたしょうゆにくぐらせて食べていました。かつては高級魚のイメージが強かったヒラメも、今は家庭向けにお求めやすい値段になったと思います。

 「北前船寄港地・船主集落」の一つとして日本遺産に認定された当町には、北前船ゆかりの蔵元・尾崎酒造があります。銘柄では「安東水軍」が有名ですが、最近は味わいやデザインを若い世代向けにした「Dラベル」などの新たな商品も発売されました。ぜひヒラメと一緒に味わっていただきたいですね。

 鯵ケ沢はホテルなどの宿泊施設が充実しています。海の幸、山の幸が豊富で、海水浴もスキーも楽しめますので、ぜひおいでください。

▼イカのカーテンまつり/来月7日 海の駅「わんど」で

 鯵ケ沢町の名物・イカ生干し焼きをPRする「鯵ケ沢イカのカーテンまつり」が9月7日、海の駅わんど向かいの特設会場で開かれる。イカのカーテンは、町内で見られるスルメイカの盛漁期の風物詩。今年は来場者らで全長約60メートルのカーテンをつくり、炭火焼きで味わう。

 焼きイカ体験のチケットは、イカ引換券、出店の買い物券がセットで1枚1000円。問い合わせは鯵ケ沢町商工会(電話0173-72-2376)へ。

鯵ケ沢町長・平田衛氏

まつり会場で名物のイカのカーテンをつくる子供たち

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