「カシ禰宜」準備万端/鯵ケ沢・白八幡宮大祭

本番前最後の総練習に臨む子どもたち=12日、鯵ケ沢町新町

 「津軽の京祭り」と称され約350年にわたり地域で受け継がれてきた「白八幡宮大祭」が14日から、青森県鯵ケ沢町で8年ぶりに開かれる。古式ゆかしい神輿渡御(みこしとぎょ)行列や人形山車(やま)とともに、もう一つの見どころが小学生による伝統の神楽「カシ禰宜(ねぎ)」。少子化で一時は今回の上演が危ぶまれたが、西海小学校児童の希望者が担うことになり、12日は本番前最後の総練習に熱が入った。

 カシ禰宜は太夫と禰宜のユーモラスな掛け合いと舞が見どころ。1780(安永9)年、宮城県の塩釜神社から伝わったとされ、新町(あらまち)の有志が代々口伝えで受け継いできた。同神社ではすでに途絶えていて、鯵ケ沢町だけに残る貴重な芸能となっている。

 今年6月時点で新町は26世帯。少子化で、小学生の子どもはいないという。今回は新町町内会の協力で西海小での体験学習会を重ねた上で参加者を募ったところ、3年生5人、4年生と1年生それぞれ1人が参加することになり、伝統の灯が守られた。子どもの希望をかなえようと、太夫と禰宜は2組で演じる。

 総練習の後、禰宜役の一人の會津歩武(あいづ・あゆむ)さん(西海小4年)は「うまくいっている。大きな声で太夫に合わせられるよう頑張りたい」と力強く誓った。

 子どもたちに熱心に稽古をつけてきた須藤正さん(78)は「後は本番。上がらないでやってくれれば」。子どもたちの面倒を見てきた冨田瑛重(あきしげ)さん(30)は「やりたいという気持ちで来ている子どもたちなのでモチベーションが高い。よくここまで頑張ってきた」と話していた。

 カシ禰宜は14~16日の大祭期間中、午前10時、11時、午後1時、2時の1日4回公演。鯵ケ沢町新町の信号機付き交差点の一角にある仮設舞台で。

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