アオモリウール魅力に触れて/青森で作品展

県産ウールの良さを伝える活動を続けてきた中川会長(左から4人目)ら県産羊毛の会のメンバー

 青森県産の羊毛を生かし、手仕事の輪を広げている「県産羊毛の会 aomori wool(アオモリウール)」が14、15日、青森市柳川の「KITTO PARK」で10回目となる作品展を開く。活動開始から年月を重ね、県産羊毛の魅力を伝える取り組みが地域に少しずつ広がっている。

 同会は、代表の中川麻子さん(63)が「いつか青森の羊毛で作品を作りたい」との思いからスタート。主婦を中心とする6人のメンバーが、廃棄されてきた県内産の羊毛を買い取り、洗浄、紡ぎ、織り上げまでを全て手作業で行い、新たな“命”を吹き込んできた。

 アオモリウールは、寒冷な気候の中で育つため弾力があり、空気をよく含んで温かく、優しい風合いが特徴という。持ち味を知ってもらおうと、同会は2018年から月1回、市内で「楽しむ会」を開催。手紡ぎやフェルト作りなどを通じて、羊毛に触れる場を設けてきた。

 編み物が趣味の船橋明美さん(64)は数年前から「楽しむ会」に参加するようになった。それまで市販の毛糸を使ってきたが、実際に手に取ってみると「ぬくもりが違う」とアオモリウールの魅力に引き込まれた。現在は糸紡ぎに挑戦中で、「夢は自分で紡いだ県産ウールでセーターを編むこと」と話す。

 長年の課題だった毛洗い作業も今年、大きく前進した。羊毛の提供を受けている「おおわに自然村」を運営するエコネット(弘前市)の三浦浩社長(70)が、支援する平川市の温泉の源泉を活用しては-と提案。高温のお湯を使うことで油分や汚れを効率よく落とせるようになった。食品リサイクルなど資源の循環事業に取り組む三浦社長は「捨てられるものに新たな価値を与えるという視点に共通するものがあった」と話す。

 「羊毛を通して人がつながり、輪が広がっていることがうれしい」と中川代表。「青森ウールの優しさに触れてほしい」と話している。

 展示は午前10時~午後4時。問い合わせは中川さん(電話090-7934-2041)へ。

会場には楽しむ会の参加者の作品も多数並んでいる

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