名物の焼き干し復活を むつ・脇野沢で体験ツアー

約50人が参加した焼き干し加工体験ツアーの下ごしらえ作業

 2022年度を最後に途絶えている青森県むつ市脇野沢地区の名物「焼き干し」の復活・継承につなげようと、地元住民や市などで組織する「鯛島塾むらおこし会議」は9月27日、脇野沢漁港などで昨年に続き、下ごしらえや天日干しなどの作業を体験するツアーを開いた。

 焼き干し作りはタラ漁と並ぶ脇野沢自慢の産業だった。9~10月に水揚げされた脂分の少ないイワシで作ったものが高級品とされた。高齢化、人手不足で同地区での生産が22年度に終わり、水揚げ用の定置網も設置されなくなった。

 ツアーは交流人口増大と地域のにぎわい創出、焼き干し加工再興のきっかけづくりを目指し企画。豊かな自然や漁村ならではの地域資源の価値、魅力を生かした「海業」の一環で、国が推進している。

 今回は八戸から体長約20センチと大きめのイワシ約600キロ以上を用意した。同漁港荷さばき所で地元漁業者が「魚の口に親指を入れ引っ張れば内臓も出て来る」と下ごしらえ作業のこつを伝授。参加者約50人は最初手間取りながら、徐々に慣れた手つきとなった。

 むつ市から参加した山口和歌子さんは「初めてやるが面白い。焼き干しは上品な味わい。みそ汁、ラーメンのだしに使いたい」と上機嫌だった。

 むらおこし会議の松野裕而会長は「脇野沢の焼き干しは高くキロ1万円にもなった。残せばお金にはなった。伝統の味復活につながれば良いのだが」と話した。

 ツアーは10月25日にも実施予定。

むつ市

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