青森県リンゴ植栽150周年で果汁ビール

リンゴをブレンドしたクラフトビールを開発した工藤さん(右)と加藤さん(画像の一部を加工しています)

 リンゴをブレンドしたビールはいかが-。リンゴの一大産地・弘前市の生産者と醸造所、酒店がタッグを組み、リンゴ果汁入りのクラフトビール「RINGO CRAFT LAGER(リンゴ・クラフト・ラガー)」の販売を17日に始めた。来年は青森県にリンゴが植栽されて150周年。大きな節目の年に向け、リンゴ産業が盛り上がるきっかけにしたい考えだ。

 ビール販売を発案し、原料となるリンゴを提供したのは、工藤農園(弘前市)代表取締役・工藤貴久さん(51)。5月下旬に、各種イベントで地域を盛り上げる加藤酒店(同市)の代表・加藤貴大さん(66)に話を持ちかけたところ、「リンゴを使った新しい企画で地元をにぎわせたい」との思いで一致。地元の食材を使ったビールを手がけるビール工房「Be Easy Brewing(ビー・イージー・ブリューイング)」(同市)と協力し、6月ごろから開発を進めた。

 ビールは、早生(わせ)種の「つがる」「華宝(かほう)」を使った爽やかな味わいのビールと晩生種の「王林」「ふじ」をミックスしたやや濃いめで甘みが特徴の2種類を用意した。加藤さんは「対照的な味わいのビールを作った。ぜひ飲み比べてみてほしい」と話した。

 デザインにもリンゴ栽培の歴史を取り入れた。工藤さんは「本県のリンゴ栽培は、士族授産(生活に困った士族への救済策)としての面があった」とし、パッケージにはビールを手にした武者の姿をあしらった。工藤さんの家系をたどると弘前藩士で、4~5代前の先祖がリンゴ栽培に取り組み始めたという。

 各限定200本で作ったが、ビールの販売は好調で、さらに追加できないか調整している。工藤さんは「今後も県内の醸造所や酒店などと連携し、雇用創出や生産者の所得向上につなげたい」と語った。

 価格は1本760円(税込み)。問い合わせは加藤酒店(電話0172-32-9346)まで。

早生種で作った爽やかな味わいのビール(左)と晩生種で作った甘みが特徴のビール

弘前市

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