青森県内5美術施設連携「GOKANアートフェス」 来館者20万人超え、県外からも

リンゴ箱を活用したオブジェ=4月、青森市の県立美術館

 青森県内五つの公立美術施設が連携してアートの魅力を発信する初の試みの「AOMORI GOKAN アートフェス2024-つらなりのはらっぱ-」が今年4月から行われている。入館者数は20万人を超え「今まで行けなかった美術館に行くきっかけになった」との声も。アートを起点に何かに出会い、何かが起こる「はらっぱ」のような場所に-。各館がそのような思いを持ちながら、9月1日まで個性豊かな企画を展開する。

 5館は青森市の県立美術館、同市の青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)、十和田市現代美術館、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館。

 4月から7月にかけてツアーで4館を複数回巡った青森市の葛西承子さん(76)は「同じ県内にいながら行く機会がなかった県南の美術館にも、今回のフェスがきっかけで足を伸ばすことができた」と話す。9月には初めて八戸市美術館を訪ねる予定で「5館を制覇できるのも楽しみだし、既に訪れた美術館でも、作家との交流など、行くたびに新たな楽しさがあるので何度も足を運んでしまう」とフェスを満喫している様子だ。

 青森市から弘前れんが倉庫美術館を訪れた20代の女性は「(同館で展示中の)蜷川実花さんの作品を見たくて来た。ほかの4館も行ってみたい」とにっこり。美術館を見終わった後はカフェ巡りをすると話していた。

 一方で、こんな声も。鯵ケ沢町から電車に乗って弘前市に来た70代の女性は「弘前以外の美術館にも行ってみたいが電車だと時間がかかる。自分のペースで巡りたいので、ツアーへの参加はためらってしまう」と困った様子。

 1泊2日で青森・弘前市の3館を回った東京都の20代男性は「当初は十和田(市現代美術館)に行きたかったが、公共交通だと時間がかかり、乗り場や帰路に不安もあったので断念した」と残念そう。最寄りのバスや鉄道の路線・時刻の入手にも手間取ったといい「同じ県だから回れるかなと気楽に来たが、個人客は自動車がないとなかなか難しいかも」と苦笑いした。

 同フェスで県美は、館内外に立体作品やインスタレーション(空間展示)作品を展示し、館全体でつらなりを表す。ACACは、国内外のアーティストが写真や版画から「変化し続ける現在」を表現。現美は、インスタレーションや羊毛、映像などから自然を捉え人間との関わりを見つめる。弘前は、写真家・映画監督の蜷川実花さんが弘前公園で撮りためた桜の写真などを展示。八戸は、絵画や版画、ダンスを通じて来館者とアーティストが交わる場をつくる。

▼5館巡回「元気炉」/9日から

 「AOMORI GOKAN アートフェス2024」では9日から、体験型の作品「元気炉」の5館巡回を始める。

 作者は、現代美術家・栗林隆さん。原子炉を模した作品に薬草の香りを帯びた蒸気を発生させ、観客が中に入って体験することができる。作品に人々が集い植物のエネルギーを感じることで、人と自然の境界線や関係性を見つめる。

 展示日程は以下の通り。

▽県美 8月9~11日
▽ACAC 14、15日
▽八戸 18、19、21日
▽現美 24、25日
▽弘前 28日~9月1日
 

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