由利工生が本荘公園テーマにVR制作 近日公開、解説文も用意

本荘公園の広場のVR映像
 秋田県由利本荘市の由利工業高校地域貢献部の部員5人が、本荘公園の成り立ちや歴史を解説する仮想現実(VR)の映像を制作した。スマートフォンなどの画面上で公園内にいるような感覚で現地の様子を見ることができる。主に神社や石碑といった公園内の史跡の紹介に力を入れ、解説文なども用意している。市や地域貢献部のサイトで近日中に公開する予定。

 VR映像の制作に携わったのは、部長で2年の鈴木翔大さん、いずれも1年の小野央無(ひろむ)さん、草彅将気さん、大友慎之介さん、櫻庭茉衣さん。

 5人は昨年6月、市の「由利本荘ナビゲータープロジェクト」に参加。同プロジェクトは地域の歴史や文化の成り立ちを市民が学ぶ機会をつくり、郷土愛を育んでもらうことを目的に市が企画した。

 生徒たちは本荘まち歩き案内人の会メンバーの解説を聞き、本荘公園の歴史への理解を深めると同時に、地域の歴史を伝える語り部の高齢化が進み活動が難しくなっている現状を知った。そこで自分たちに力になれることはないかと考え、映像制作を決めた。

 映像に使ったデータは一部を除き、昨年8月に撮影。気温35度前後の厳しい暑さの中、鈴木さんが中心となって小型の360度カメラで100枚ほどの写真を撮影した。

 写真をつなぎ合わせる編集作業は10月に始め、主に草彅さんと大友さんが担当。小野さんはVR映像と同時に表示される地図を制作し、映像上で自分がどこにいるのかが分かるよう工夫を凝らした。櫻庭さんは史跡などを紹介する解説文の内容を考えた。

 地域貢献部は2021年に発足し、ボランティア活動などを展開している。VR映像で鳥海山木のおもちゃ館をPRしたり、地域の小学生に交通事故防止を呼びかけたりしてきたが、今回の5人が本格的にVR映像の制作に挑戦するのは初めて。VR事業などを手がける大館市の企業から技術的なアドバイスをもらいながら、完成させた。

 鈴木さんは「身に付けた技術を生かし、他の史跡や観光施設をPRする映像の制作にも取り組みながら、編集技術を後輩たちにも受け継いでいきたい」と話す。

 22日には5人が市役所を訪れ、湊貴信市長に出来栄えを報告した。湊市長は「若い感性で取り組んでくれたのがうれしい。(映像は)完成度が高い」と述べた。

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