伝統芸能習えるゲストハウス 広がる輪/南部町

「繭子の宿」に滞在している山口さんに踊りの所作を教える西塚さん(右)

 第31代県手踊名人位の西塚繭子さん(51)=青森県南部町=が2021年12月に同町でゲストハウス「繭子の宿」を始めて約1年3カ月。子どもの頃から身に付けた手踊りや三味線、太鼓など自身の芸がアピールポイントになり、国内外から宿泊者が訪れている。中には長期滞在し指導を受ける人も。「伝統芸能を名人に教えてもらえる“唯一無二”の宿」が人を引きつけ、輪を広げている。

 西塚さんがゲストハウスを始めたのは、自身が「くびれ師匠」として活動する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のフォロワーに勧められたため。当初は自身の芸に結びつけて考えてはいなかったが、西塚さんが手踊りの名手であることを知り「伝統芸能に触れたい」と本格的に取り組む人が出始めた。

 宿泊をきっかけに手踊りを始め、1年で県手踊名人決定戦予選通過を決めたのは弘前市出身、八戸市在住の西塚のりかさん(24)=芸名。約1カ月滞在、その後も八戸から通い、19日の県手踊名人決定戦本選に出場した。八戸市出身、神奈川県在住の瀬知容子さん(41)は民謡の指導を受けて県民謡王座決定戦の予選を通過、3月の本選に臨む。

 瀬知さんの知人でプロシンガーの山口愛さん(44)=神奈川県在住=は各国の音楽を歌い、歌の指導に携わりながら現在、鎌倉で生演奏の盆踊りバンドのメインボーカルを担当。「踊りも教えてほしい」という依頼が増える中、さらに美しく、和に通じる所作にも磨きをかけられたら、と繭子の宿を訪れた。今まで地方で学ぶ際には滞在場所を含め、稽古場までの交通手段、費用など、学ぶまでのハードルが高かったが、瀬知さんに紹介された繭子の宿では全て解決できるため、南部地方えんぶり開幕日の12日から約10日間の“合宿”に訪れた。

 西塚さんは3歳から三味線名人の父・友雄さんと手踊りの師匠の母・きよさんに唄、踊りを仕込まれた。妹の淳子さんは第63代県民謡王座と芸能一家。西塚さんは「子どもの頃は正直、やらされている感じだったが、今になってありがたさが分かった」と両親に深く感謝、繭子の宿を起点に、ふるさとに根差したさまざまな展開を思い描いている。

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