92年ぶり駅舎建て替え 黒柳さんも利用した諏訪ノ平駅(南部町)

駅舎建て替え工事が行われる青い森鉄道・諏訪ノ平駅の待合室

 1933(昭和8)年1月に青森県南部町諏訪ノ平地区に開設された青い森鉄道(旧国鉄)・諏訪ノ平駅の駅舎が、92年ぶりに建て替えられることが29日分かった。駅は戦時中に同地区に疎開していた俳優、エッセイストの黒柳徹子さんも通学で利用していたという。開設以来、初の本格的改築となる工事は10月3日に始まる予定で、地元や近隣の町内会長らで組織する「諏訪ノ平駅改築整備推進協議会」(西舘隆会長)が2日午後1時から、「駅舎お別れ記念撮影会」を開く。

 現在の木造平屋の駅舎は2002年12月にJRから経営分離された際、既に無人駅だった。駅舎を所有する県は老朽化が著しいことから22年11月、地元住民に対し建て替え計画を説明。地元住民らは翌年2月、親しみやすい駅舎と利用者のより良い環境実現を目指し、同協議会を設立した。

 県によると、現駅舎には待合室のほか、かつての駅員の事務室や休憩室などがある。木造平屋の新駅舎は約25平方メートルの待合室とホームへ通じる通路のみとなり、現在の半分ほどの広さに縮小される。駅舎隣りにあるトイレも老朽化のため解体され、南部町が来年度に新しいトイレを整備する予定だ。駅舎の建て替え工事は来年2月上旬までの約4カ月間を見込んでいる。

 黒柳さん一家は最初、同駅近くのリンゴ畑の作業小屋を借りて暮らしていたが、その後、同駅前の長屋に移り住んだ。黒柳さんは同駅から列車に乗り、三戸町の町立実科高等女学校(現・県立三戸高校)に通学していたという。南部町では、黒柳さんの疎開中の写真などを展示する「(仮称)黒柳徹子記念ルーム」を、現在改修中の町役場南部支所の2階に27年4月に開設する予定だ。同駅は同支所の最寄り駅に当たる。

 西舘会長は「黒柳さんゆかりの駅として観光客らの乗降者が増え、名久井岳登山の玄関口の駅としてもかつてのにぎわいを取り戻してほしい」と話した。

駅舎建て替え工事が行われる青い森鉄道・諏訪ノ平駅

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