街なかてくてく アートな空間/青森・十和田で青柳さん(東京)個展

青柳さんの個展会場の一つ、みちのく温泉のロビー。モニターが短冊のようにつるされている

 十和田市現代美術館のサテライト会場「space(スペース)」や市内の生花店、温泉、バーなど計6カ所で、都内在住のアーティスト青柳菜摘さん(32)の個展「亡船(ぼうせん)記」(同美術館主催)が開かれている。航海の女神「媽祖(まそ)」信仰から構想し、架空の航海日誌をテーマにした映像作品を展示。街なかを巡りながら、7編の独立した物語からなる一冊の絵本を楽しむような趣向だ。

 青柳さんは1990年、東京都生まれ。東京芸術大学大学院でメディア映像を専攻。今回は6年ぶりの個展で、「灯船」「望船」など、いずれもタイトルに船のつく映像インスタレーションなどを制作した。

 会場は「space」のほか同美術館のカフェ、田島生花店、愛莉の部屋(スナック)など。青柳さんが物語のキーワードに合う店を選び、各店の雰囲気に合わせて、作品が流れるモニターなどを配置している。

 このうち、みちのく温泉のロビーは、天井から中国の「半月香」を傘のようにつるし、その中の短冊形のモニターを見上げるような展示。カクテルバー「RED DOOR(レッド ドア)」では、作品に合わせて考案されたカクテル「塩船」(ノンアルコールあり)を注文し、コースターに印刷されているQRコードを読み込んで自分のスマホで作品を鑑賞する仕組みとなっている。

 青柳さんは「関東圏から離れて初めての展覧会で、自分でも見たことのないものをつくろうと頑張った。美術館内にとどまらない展示にしているので、普段とは違う鑑賞体験ができれば」と話している。

 同展は12月18日まで。観覧無料(一部ドリンク注文必要)。開館時間は各会場の営業時間。問い合わせは同美術館(電話0176-20-1127)へ。





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