横振り刺しゅう初個展/六戸の関さん

制作の原点・脳挫傷をテーマにした作品を手にする関さん。27日から横振りミシン(手前)を使った作品で刺しゅう展を開く

 青森県六戸町の刺しゅう家・関夢郁(ゆい)さん(35)が、27、28の両日、三沢市のスカイプラザミサワで自身初の刺しゅう展を開く。大量生産できる機械式ミシンと異なり、左右に動く針を精妙に操作して縫い上げる伝統的な横振りミシンを使い、一点ものの作品を紹介する。入場無料。

 関さんは2018年に家族の付き添いで行った病院内で突然意識を失い、転倒時に頭蓋骨骨折と脳挫傷の重傷を負った。不慮の事故を機にリハビリで始めたハンドメード(手作り作品)の作業がきっかけとなり、19年9月に地元で工房「GroFeLure(グルフィルア)」を設立。現在はダンス経験や地元でのつながりからダンサーやアーティストの衣装、グッズなどへの刺しゅう事業を展開している。

 設立後メインだったパソコンでデータ化した自動編み上げから、徐々によりオリジナルな作品への意欲を持った。歴史を持つ横振りミシンを使った活動を模索し、希少なミシンを関西圏で見つけて独学で制作に取り組んだ。1年前からは横振り刺しゅうでパリコレクションなどにも出展経験のある大澤紀代美氏(83)=群馬県桐生市=に師事し、毎月技術を学んでいる。

 横振り刺しゅうについて、関さんは「その日の気分で色合いや縫い目に違いが出て、同じものはできない。味のある作品に仕上がる」と語る。展示作品は縦横30センチのキャンバスと「スカジャン」の刺しゅう25点ほどで、キーホルダーやワッペンなどこれまで制作した作品の販売も行う。

 刺しゅう展は午前11時~午後6時(28日は午後5時まで)。

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