40年前の組ねぷた修復 観光館に展示/弘前

約40年前に作られた組ねぷたを和紙で補修する高橋さん

 津軽凧(たこ)絵の第一人者でねぷた絵師の故吉谷津山(よしたに・つざん)さん(本名・彦衛)が1980年代前半に制作した組ねぷた「平惟茂(たいらのこれもち) 紅葉狩」が、1日から弘前市立観光館で公開されることになった。3月28日から同館で修復作業が行われ、担当する同市のねぷた絵師橘鶴泉(かくせん)(本名・高橋勝良)さんは「現在は使われていない技法や素材が、このねぷたに集約されている。修復は最小限にとどめるので、40年の歳月も含めて見てほしい」と話している。

 吉谷さんに師事し、同組ねぷたの制作にも携わった高橋さんによると、吉谷さんが最後に作った組ねぷた作品で、骨組みは同市文京町の故大川徳次郎さんが担当。同市の六花酒造が展示用に制作を依頼し、原形のまま保管していた。今年の弘前ねぷた300年祭に合わせ、弘前ねぷた保存会(三上千春会長)が寄贈を受けた。

 30日の修復作業では、非常に薄い和紙「吉野紙」を紙が破れた部分に張って補強。筆入れは輪郭線がつぶれた箇所にとどめ、40年の歳月による退色はそのままにした。

 同組ねぷたは戦前の技法で作られ、竹の「しなり」を生かした構造が特徴。人形の髪の毛が風で揺れるよう、細く裂いた紙で作るなど、現代にはない表現方法も使われている。

 新型コロナウイルス禍による市立観光館の休館が3月31日で終了し、1日からは修復中の同組ねぷたを自由に見学できる。ねぷた保存会事務局は「若い人たちは見たこともない姿のねぷただと思う。300年祭に合わせ、多くの人に来てほしい」と話していた。

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