津軽家の始祖・光信公の山車 岩手で展示

安東水軍を追い払う光信の軍勢を題材にした山車(提供写真)

 津軽家ゆかりの大浦光信(1460~1526年)を題材にした山車が、光信の出身地・岩手県久慈市の道の駅で展示されている。地元の山車組が、光信の居城種里城があった青森県鯵ケ沢町と、久慈市の友好協定締結を記念して制作した。

 光信は1491年、日本海側で勢力を持つ豪族安藤氏に対抗するため、三戸南部氏の一族として久慈から種里に入部。4代後の為信が津軽地方を統一した。

 山車を作ったのは住民組織「大川目町まちづくり協議会」の山車組「備前組」。光信の軍勢が大浦家の家紋「蔓花菱(つるはなびし)」ののぼり旗を掲げ、安藤氏の「安東水軍」を追い払う場面を取り上げた。2008年には、光信と同じ久慈出身で、大浦家に婿養子入りしたとされる為信の山車も作っている。

 久慈秋まつりは600年余りの歴史を誇る岩手県北最大の祭り。運行した山車8台のうち1台を道の駅「やませ土風館」で展示している。今年はコロナ禍で昨年に続き中止となったが備前組が心意気を示そうと山車を制作。10月17日から来年8月末まで展示し、9月の秋まつりで運行する。

 両市町は中学生の交流や災害時の相互支援などを経て、18年に協定を締結した。同協議会長の小倉利之さん(62)は取材に「久慈出身の光信公の山車が実現して感慨深い。長い歴史を持つ祭りや道の駅でぜひ見てほしい」と話している。

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