洞爺丸遭難 風化させない/市民団体が写真展(青森)

写真や資料を前に、事故の悲惨さを伝える今村さん

 約1150人が犠牲となった67年前の洞爺丸遭難事故を風化させないと、青森市の歴史資料を収集・展示している市民団体「青森まちかど歴史の庵『奏海(かなみ)』の会」は、事故当時の写真約50枚などを集めた写真展を、同市本町の同庵で開いている。30日まで。

 事故は1954年9月26日夜に発生。函館港を出た青函連絡船の洞爺丸は台風の高波のため転覆した。乗客乗員1155人が死亡。20世紀の海難事故ではタイタニック号遭難(12年)に次ぐ2番目の大惨事となった。

 写真展は奏海の庵主を務める今村修さん(78)が遺族会の追悼集を知人から譲り受けたことを契機に、2018年から企画。会場には海岸に打ち上げられた遺体や、ひつぎに手を合わせる家族、寒風の中、海を見つめる親子などの写真のほか、事故の状況を伝える東奥日報紙の記事、犠牲となった青森県関係の名簿も掲示している。「当時、中学1年だったが、翌朝のラジオや新聞で大変なことが起こったことを知った」と振り返る今村さん。「遺族も少なくなり、事故を知らない世代が多くなっている。写真を通して、悲惨な出来事を風化させず、二度と事故を起こしてはいけないと思ってもらえれば」と静かに語る。

 開催時間は午前10時~午後5時。毎週月曜、第2、4日曜は休み。入場無料。問い合わせは同庵(電話017-777-6200)。

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