美郷町六郷地区は無数の豊かな湧水（わきみず）に恵まれる。古くから「百清水（ひゃくしみず）」とも呼ばれ、現在も「御台所清水」「ニテコ清水」「ハタチや清水」「久米清水」など６０ほどの清水がこんこんとわき出ている。

　優しく口当たりが良く、飲みやすい水は酒造りにも適している。江戸時代には藩内でも有数の酒どころとして知られた。今も三つの酒蔵が健在。この水を使って明治時代から作られているサイダーも人気だ。

　清水には氷河期から生き続けているとされるイバラトミヨ（ハリザッコ）が生息している。水温が低くてきれいな水の中でしか生きられないデリケートな魚は、水質が良好に保たれている証しでもある。