三浦哲郎生誕90周年 八戸の2施設で記念展示

三浦の肖像画や作品を追想させるインスタレーション作品が展示されている八戸ブックセンターのギャラリー展「中高生に伝えたい三浦哲郎」

 青森県八戸市出身の芥川賞作家・三浦哲郎(1931~2010年)の生誕90周年と芥川賞受賞60周年を記念した展示が、同市の八戸ブックセンターと市立図書館でそれぞれ行われている。両施設とも「中高生をはじめ今まで作品を読んだことがない人が、作品に触れる興味の入り口になれば」と、作品を題材にしたオブジェや本などを紹介。趣向を凝らして三浦文学の魅力を発信している。

 八戸ブックセンターでは開館5周年記念ギャラリー展「中高生に伝えたい三浦哲郎」を8月22日まで開催している。彫刻家・美術家の飯田竜太さんが展示を監修し、会場にはイラストレーターの高橋将貴さんが三浦の少年期から晩年の姿を描いた肖像画5点と、三浦の年譜を壁一面に掲示している。

 また「盆土産と十七の短篇」(中公文庫)に収録された物語を追想させるエビフライや木刀などを配したインスタレーション(空間芸術)作品、三浦の本20冊をモチーフに飯田さんが制作した木彫りのオブジェ、方言の響きを楽しむ映像もあり、さまざまな切り口で三浦文学の世界を紹介している。同センター企画運営専門員の熊澤直子さんは「高校生や市民が訪れ、展示を見て作品に親しみを感じてくれているようだ」と話した。

 一方、市立図書館の特設コーナーでは、中学校国語の教科書に掲載された「盆土産」など、三浦文学初心者にも親しみやすい小説や随筆など三十数冊を展示。貸し出しも行っている。他に芥川賞受賞作「忍ぶ川」が掲載された1961年3月刊行の月刊誌「文芸春秋」や三浦が愛用した文房具なども公開しており、来館者が見入っていた。展示は7月13日まで。

八戸市立図書館に設けられた「読んでみよう!三浦哲郎」のコーナー


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