旧制弘高開校100年/14日から企画展

北溟寮の寮祭の一こま。学生たちが役者となり仮装している。戦後の撮影とみられる(弘前大学付属図書館蔵)

 弘前大学の前身・旧制弘前高校が開校して今年で100年。学内にある弘大資料館は14日から記念展示会を開く。街を闊歩(かっぽ)するバンカラ学生の姿を捉えた貴重な写真や当時の備品、記念品の数々が、学問と精神の自由を思う存分謳歌(おうか)した若者たちの古き良き時代を証言する。

 旧制弘高は1921(大正10)年4月の開校以来、戦後の旧制高校廃止で50(昭和25)年に閉校するまで計4747人を輩出した。OBには作家太宰治(本名・津島修治)のほか、映画監督鈴木清順さんと元NHKアナウンサー鈴木健二さんの兄弟らがいる。

 写真パネルで目を引くのは、「弊衣破帽」と呼ばれた、汚れた学生帽とよれよれのマントを着込んだ学生たちのファッション。北溟寮(ほくめいりょう)で行われたストーム(蛮行)や寮祭の様子は、学問的な優秀さを超越したエネルギーを感じさせる。

 旧制高校の廃止により、最後となった「全国高校陸上競技大会」の優勝旗(弘前市立博物館蔵)をはじめ、当時の「高等微分学」の教科書や数学のノート、入学試験要項なども展示。鈴木清順さんが監督した「弘高青春物語」(カラー55分)も上映する。

 展示会開催を手紙で弘大に提案した佐賀郁朗さん(89)=埼玉県所沢市=は48年入学の最後の修了生。取材に対し「仲間も多くが亡くなった。これを機にいま一度、旧制弘前高校があったことを多くの人に思い出してもらいたい」と語った。

 企画を担当した弘大付属図書館の三上豊事務長は「当時の旧制高校生が謳歌した青春時代をぜひ堪能してほしい」と話している。学外の人の来場は資料館(電話0172-39-3432)に問い合わせを。

企画展会場の一角。左下に見えるのが弘前市立博物館蔵の「全国高校陸上競技大会優勝旗」

弘前市

青森
GMUのふるさとナビ4 弘前・アップルパイ
青森
弘南鉄道大鰐線「津軽七雪こぎん灯篭列車」運行
青森
雪の桜満開/弘前公園外堀ライトアップ
青森
太宰が愛した喫茶店 6日再オープン/弘前
青森
冬の弘前、映画の舞台に 市内で6日から公開、有名店など登場