津軽鉄道が「種村直樹文庫」開設準備

寄贈された鉄道関連書籍を確認する澤田社長(右)と岡田会長

 青森県五所川原市と中泊町を結ぶ津軽鉄道に、作家の故・種村直樹氏(滋賀県出身)の鉄道関連書籍約3千冊が寄贈された。現在、津軽飯詰駅で津鉄関係者や市民グループが展示準備を進めている。

 種村氏は鉄道に関する小説やルポルタージュなどを発表し、「レイルウェイ・ライター」として鉄道ファンの間で有名な存在。鉄道旅行のノウハウをまとめた「鉄道旅行術」や「気まぐれ列車」シリーズなどの著書がある。2014年の死後、種村氏の蔵書を種村氏の家族らが全国各地の鉄道関連施設などに寄贈してきた。

 津鉄には昨年11月に打診があり、澤田長二郎社長が「貴重な本。多くの人に読んでもらいたい」と快諾。今年1月、種村氏の記事が掲載された雑誌「鉄道ジャーナル」や写真集、事典など3千冊超の書籍、さらに種村氏が原稿執筆時に使用していた机や椅子が届いた。

 貴重な資料を公開する場をつくろうと、津鉄は津軽飯詰駅構内でミニ鉄道博物館を開いている同市の市民グループ「飯詰を元気にする会」(岡田千秋会長)と連携。博物館内に「種村文庫」と銘打った展示スペースの開設へ準備を進めている。書籍のほか机や椅子も並べ、種村氏の書斎を再現する予定。書籍や机などの一時保管や収納する本棚の制作は東北能開大青森校・秋田校が協力する。このほど、澤田社長や岡田会長が津軽飯詰駅で、譲り受けた書籍の収納方法を検討した。今後、本棚を増やし、8月にも展示を開始する予定。

 博物館は月1回開館しているが、種村文庫の開設後は回数を増やし、閲覧できる機会を設ける。岡田会長は「津鉄ファンの新規開拓につながる。来場者が駅に滞在する時間を長くし、飯詰地区を楽しんでもらうきっかけになれば」と期待している。

列車内で笑顔を見せる在りし日の種村直樹氏(家族提供)

五所川原市

青森
見事なミズバショウの群生満喫/五所川原
青森
津軽の桜、ビールで味わって/トキあっぷる社発売
青森
奥津軽に春 桜満開/五所川原・芦野公園
青森
津鉄・芦野公園駅、夜間点灯始まる
青森
県内各地でまつり開幕 一足早く花見気分