津軽弁での会話が弾んだイベント会場のクラフトビール店

 津軽弁が“公用語”の一風変わったビール店が17日、青森県弘前市鍛冶町に3日間限定オープンした。弘前大の学生有志団体「ドンダレクト」が企画、新型コロナウイルス禍で沈滞ムードの飲食店に活気を取り戻すことを狙う。学生たちは「ツガルベンデネバ(津軽弁でなければ)トチゲルメヘヤッコ(注文できない店)」に「マヅネレ(集まれ)ツガルンド(津軽人)」と呼び掛け、来店者は津軽弁談議に花を咲かせた。

 同大人文社会科学部地域行動コースは今年、行動変容をテーマに「方言をより多くの人に話してもらうには」に取り組んだ。学生たちは10月に団体を設立、ビールとTシャツの店「Ripen(ライプン)」の中野渡卓也さん(28)の協力で活動のスタートを切った。

 代表の鎌田翔至(しょうい)さん(北海道出身、同学部3年)は「方言をきっかけに人を呼び込みたい」と語る。酒井瑞帆さん(むつ市出身、同2年)は「津軽弁は分かる言葉も分からない言葉もある」、落合保多瑠(ほたる)さん(青森市出身、同)は「もっとみんなが方言を使うようになれば」と言う。金野(きんの)眞子さん(岩手県出身、同)は「方言による地域活性化の実践で、とても楽しみ」、竹内里桜(りお)さん(北海道出身、同)は「方言を恥ずかしがるのが不思議。良さを伝えたい」と張り切る。

 会場には同コースを指導する古村健太郎講師と、企画をアドバイスした松重宏和さんの姿も。メニューは津軽弁の中でも難易度が高い言葉を「津軽弁死語辞典」から選んだ。「キェカタ」「サドメクテサッパド」などのメニューに「想像がつかない」と苦笑する地元住民もおり、店内に笑い声が広がった。

「マヅネレツガルンド」を企画した学生と、場所を提供した「Ripen」の中野渡さん(右端)

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