藤田記念庭園(弘前)で樹木の雪吊り作業

岩木山を背景に、アカマツの雪吊りをする作業員ら

 降雪期を控え、青森県弘前市の藤田記念庭園で雪の重みから木々の枝を守る雪吊(つ)りの作業が行われている。28日は好天の下、市みどりの協会のメンバー6人が同庭園高台部にある高さ約9メートルのアカマツにロープを掛け、丁寧に作業を進めた。

 木のそばに立てた高さ約11メートルの支柱先端には、弘前公園など特定の場所でしか使われないデザインの「頭飾り」と呼ばれる縄細工を施し、そこからつながる32本の縄を作業員が、木の形を損なわないよう気をつけながら枝にくくりつけていった。

 後ろに見える岩木山山頂は雲に隠れていたが、同庭園上空は晴天で、園内を散歩中だった埼玉県川口市の森山孝志さん(72)、久恵さん(66)夫妻は「もう冬になると実感した。作業中の雪吊りを見るのは初めてで、職人さんたちは大変ですね」と話した。

 同庭園は2.18ヘクタールと広大で、マツなど20本の雪吊りと、庭木や石灯籠など30基に雪囲いを行うため、作業は11月末まで続く見込み。同協会藤田記念庭園担当の稲部晃輔(こうすけ)主事は「今年は昨年よりも雪が多い予報で、枝が折れないようがっちり作業をしたい。作業から季節の変わり目を感じていただければ。新型コロナウイルス感染拡大の中、庭園を訪れることができない方々のためにも随時、SNS(会員制交流サイト)などで情報を発信したい」と話した。

弘前公園など特定の場所でしか使われないデザインの「頭飾り」

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