【ぐるぐるグルメ】清涼の幸 南八甲田野菜

奈良さん方で土を落とした真っ白なダイコンを選別する手伝いの主婦ら=平川市・善光寺平地区

 緑豊かな山々に野鳥のさえずりが軽やかに響き、青々とした畑が広がる青森県平川市の南八甲田地域。この一帯で栽培されている高原野菜は、夏でも清涼な気候に育まれた山の幸。戦後の開拓で原野を耕地に生まれ変わらせた入植者たちが残した地域の宝でもある。

 津軽みらい農協の南八甲田高原野菜生産組合は、標高350~750メートルにある善光寺平、大木平(おおぼくたい)の開拓集落と葛川、小国・切明、平六・井戸沢地区-の農家が野菜の販売力強化を目指して1980年に組織した。同農協葛川野菜センターによると、現在の組合員は40人。出荷先は関東や東北の市場で、取扱量は主力のダイコンで年間約20万ケース(1ケース10キロ)、ニンジンで同10万ケース。コカブ、レタスやキャベツ、ハクサイなども手掛ける。

 「南八甲田高原野菜は連作を避けて緑肥による土づくりなどに努めてきたので、出荷先からは『棚もちが良い』と評価されている」(同センター)という。市内にある農協の産直施設「ひらかアグリアス」でも、夏から秋にかけての人気商品になっている。

 善光寺平の奈良優さん(44)は、70年ほど前に畑岡村(現藤崎町)から入植した祖父の畑を守る野菜農家だ。収穫期には近隣市町村からも手伝いの主婦を集め、夜明け前から作業に出る。真っ白なダイコンを手に「いろんな料理に使えるけど、この辺りで採れる山菜やキノコと一緒に、おろしで食べるのが最高だな」と笑顔を見せた。


南八甲田高原野菜が並ぶアグリアスの店内

▼おすすめ 3産品/自慢のリンゴと霜降り肉/長尾忠行市長

 リンゴどころの津軽でも、平川市産は糖度が高いことで知られ、県のりんご品評会では最高賞を昨年まで5年連続、通算24回受賞するなど高く評価されています。主力の「ふじ」が、間もなく収穫最盛期を迎えます。

 りんご酢「女神の林檎」は当地自慢の完熟リンゴを丸ごとすりおろして発酵させ、樽(たる)で長期熟成した逸品。まろやかで優しい風味が楽しめます。牛乳で割ると酸味が抑えられヨーグルトのような味わいになりますので、ぜひお試しください。

 ひらかわ牛(津軽たにかわ牛)は、自然豊かな南八甲田の切明地区で繁殖から肥育まで一貫生産されています。柔らかい赤身と、とろけるような脂の霜降りをご賞味ください。


ひらかわ牛(津軽たにかわ牛) 八甲田山麓で育てた黒毛和牛の一口サイズサイコロステーキ


りんご酢「女神の林檎」 じっくり熟成させた黒りんご酢にプロテオグリカンを配合


蜜入り糖度保証「サンふじ」 光センサー選果機で蜜入りと糖度13度以上のものを厳選

【問い合わせ先】平川市総務課広報広聴係(TEL0172-44-1111)

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