料理人の個性映す器たち 津軽金山焼で展示

料理人たちが考えた斬新なデザインの器が展示されている店内=五所川原市金山の津軽金山焼

 青森県五所川原市金山の津軽金山焼は、全国の料理人から自作料理を引き立てる器のデザインを募って制作した「料理人とつくる器展」を開いている。通常の食器とはひと味異なった斬新な器が並び、訪れた来場客の目を引いている。30日まで。

 同展は昨年に続いて2回目。和洋中のプロの料理人のほか和菓子職人、料理研究家ら22人が参加した。自慢の料理にふさわしい器のデザインを送ってもらい、金山焼の職人が試行錯誤を重ねて完成させた。

 本格イタリアン「チェロ・エ・マーレ」(東京)のヨシアキ・ヤグチシェフは表面に大胆なひび割れを表現した大皿を展示。メインディッシュの甘鯛(あまだい)の鱗(うろこ)焼きの周りを黄、赤、緑の旬に野菜で飾り、おしゃれな洋風料理を仕立てた。菓子処「モリヤ」(仙台)の森谷隆之さんは鶴が羽ばたくさまをイメージ。皿の周囲が羽のようにめくれ、中央には鶴が空を見上げるような、らせん状の突起が巻き上がり、その中に美しい和菓子が収まる、食器の概念を覆す形状が印象深い。

 このほか、おせちに使う陶器製のお重、お銚子(ちょうし)とつまみが一皿に収まるトレー型の平皿など、料理をさらに楽しめる独創性あふれた食器がそろっている。

 柴田歩業務部長は「料理と同様に、器にもきめ細かな心遣いが表れている。料理人の皆さんの個性も楽しんでもらえるのでは」と話している。

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