リンゴ「ふじ」誕生80年 原木継ぐジュース

原木の遺伝子を引き継ぐ2本の木からとれたリンゴ果汁100%の限定ジュース

 青森県藤崎町発祥のリンゴ品種「ふじ」が今年、誕生から80年を迎え、町の若手職員が部局横断で企画した「ふじ原木ジュース」が23日までに完成した。原木の遺伝子を引き継ぐ町内の2本の木(原木の株分け樹)の実を使った、果汁100%、販売数量限定の記念商品で、平田博幸町長は「濃厚な味わい。ぜひ味わってほしい」とPRする。

 「ふじ」は1940年、同町にあった農林省園芸試験場東北支場で最初の実が誕生し、62年に「ふじ」として品種登録。以来、国内外で生産され、現在では世界で最も生産量が多いリンゴ品種となっている。

 その後、同支場は組織改編を経て盛岡市に移転したが、最初の木の遺伝子を受け継ぐ2本が同町の「ふじ原木公園」に現存。町役場若手職員4人による「ふじ80プロジェクトチーム」が記念事業の一環として昨年、ジュース製造を企画した。

 2本の木から収穫できた果実は、1箱20キロ入りのリンゴ箱11個分だけ。これを無添加、混じりっけ無しのジュースに仕上げたためコストがかかり、1本720ミリリットル入り1620円(税込み)と価格は高め。とはいえ、平田町長は「先人の頑張りのおかげで世界一のリンゴに成長したふじにちなみ、旅立ちや未来に思いをはせる祝いの乾杯に使ってほしい」と話す。

 同ジュースは町産品や食の情報発信をする「食彩テラス」で販売するほか、ふるさと納税の返礼品としても活用したい考え。80周年を受けて同町は現在、写真共有アプリ「インスタグラム」を使った「#ふじ80」リンゴフォトコンテストを実施中で、さらに11月にかけ「ふじ原木レストラン」や記念式典なども予定している。

藤崎町内にある、ふじの最初の木の遺伝子を受け継ぐリンゴの木=2019年9月撮影

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