【連載うまい森・味めぐり】地元米で仕込む「穂ノ泉」/おいらせ

おいらせ町産米だけで仕込んだ桃川の(左から)「おいらせ純米酒 穂ノ泉」と同社の人気銘柄「桃川 大吟醸純米酒 華想い」「桃川 吟醸純米酒」

 自分たちが精魂込めて実らせたコメで酒を仕込んでほしい-。おいらせ町内の稲作農家の願いを、創業1889(明治22)年の老舗蔵元・桃川が実現させたのが「おいらせ純米酒 穂ノ泉(ほのいずみ)」だ。

 夏場に吹くヤマセのため、一帯は古くから稲作に不向きとされてきた。町内の農家有志でつくる「おいらせ農酒会」の働き掛けで2015年に誕生した穂ノ泉には、品種改良や栽培技術の向上で良質なコメが取れるようになったという稲作農家の自信が込められている。原料のコメは地元産「まっしぐら」を100%使う。

 「いい酒は朝が知っている」のキャッチコピーと「桃川」「ねぶた」「杉玉」などの銘柄で知られる同社。今年5月の全国新酒鑑評会では12年連続金賞という快挙を達成した。穂ノ泉の特長について、村井信也・執行役員営業副本部長は「17度と少し高めのアルコールで、しっかりと、こくがあるタイプ」と話す。仕込みに奥入瀬川水系の軟水を使っているため、口当たりの柔らかさも併せ持つという。

 穂ノ泉を扱っているのは、町内約10軒の酒販売店のみだ。「日本酒の魅力は季節性にあり、旬の食材と組み合わせることで幸せな瞬間が訪れます」と力を込める村井さん。穂ノ泉と一緒に味わうなら。「これから漁期を迎えるホッキガイのお刺し身でしょうね」

▼「海も山も 食の宝庫」 成田隆町長

 「穂ノ泉」は町内のコメ農家の思いが実って出来上がった地酒です。普段は酒を飲まないのですが「穂ノ泉」を、お神酒として頂いた時は、甘みがあって女性にも好まれそうだと感じました。

 海と山の恵みのおかげで、青森県ほど食の魅力たっぷりの場所は無いと思っていますが、おいらせ町も「食の宝庫」です。冬場にホッキガイが取れる太平洋に面し、たくさんのサケが上ってくる奥入瀬川があり、酒蔵もある。野菜作りも畜産も盛んに行われています。

 農家の担い手不足が指摘されていますが、町内では意欲ある若手後継者や企業の参入で、規模拡大が進みました。都会では、まねできないような「宝」を生かして、加工品作りや売り込みを支援したいと思います。

▼日本一の鮭まつり 11月16、17日開催

 おいらせ町の秋の人気イベント「日本一のおいらせ鮭(さけ)まつり」が11月16、17の2日間、しもだサーモンパーク(奥入瀬川河川敷)で開かれる。名物の鮭つかみ取り前売り券(1000円)は、町役場などで販売している。

 豪快な鮭つかみ取りは、長靴や雨具が必要。会場には鮭汁、ちゃんちゃん焼きコーナーが用意され、クイズ大会や芸能ショーなども行われる。問い合わせは町商工観光課内まつり実行委(電話0178-56-4703)へ。

おいらせ町長・成田隆氏

大きなサケを追う豪快さが人気の「鮭まつり」

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