世界自然遺産・白神山地の主峰白神岳(標高1235メートル)の山頂付近にある「白神岳避難小屋」の修復作業が11日完了し、15日から使用可能になる。避難小屋を所有する青森県深浦町によると、近年は県外の旅行会社が企画する避難小屋への宿泊をうたった団体ツアーのガイドや登山客により、他の利用者が締め出されたケースもあるという。町は「登山者の命を守るための公共施設。本来の目的に沿った適正な利用を」と注意を呼び掛けている。
このツアーは秋田県藤里町のガイドが案内し、避難小屋宿泊を前提に1泊2日1人1万円で募集。「夕日朝日を独り占め」などとうたっていた。深浦町の登山関係者らによると、15人ほどの一行が小屋をほぼ占拠し、先に自分たちが確保したので出ていってほしい-との態度だったという。他の登山客はやむなく屋外にテントを張り、憤慨している人もいた。地元の山岳愛好会・白神倶楽部(くらぶ)の関係者は「山のルールから逸脱している。小屋は緊急避難目的で利用するのが常識であり、ホテルではない。引率したガイドが知らないはずがない」と指摘する。
避難小屋の利用に予約は必要なく、無料で誰でも使える。収容人員は約30人。雑魚寝なら20人程度は横になって体を休めることができる。白神岳頂上までは麓の登山口から片道4~5時間かかる。避難小屋は厳冬期も開放されており、行楽シーズンにはいっぱいになることもある。テントの準備は自己責任となる。
避難小屋の設置は、白神山地が世界遺産に登録される以前、白神岳が山岳誌で紹介されたことで登山者が増えた半面、遭難事故も増加したことが契機となった。登山者の安全確保を目的に、旧岩崎村の有志が全国から募った寄付金と村補助金を使って1985年に建設。町村合併を機に深浦町に寄贈され、町が管理・修復してきた。
白神山地が93年に世界遺産に登録された後、白神岳への登山者はピークで年間約4500人に達し、近年は約2000人が訪れる。避難小屋は、登山者の命を守り遭難事故を未然に防いできたが、長年の厳しい風雪により倒壊危機にあったため、町は昨年度、全国から寄付金を募り修復プロジェクトに着手。総額約2600万円の寄付が寄せられ、修復が実現した。
町観光課の米谷定(さだむ)課長は「全国の皆さんの支援で避難小屋が建て替えられたことは感謝に堪えない」とした上で、「登山者の安全を最優先に、節度ある利用をお願いしたい」と強調した。
このツアーは秋田県藤里町のガイドが案内し、避難小屋宿泊を前提に1泊2日1人1万円で募集。「夕日朝日を独り占め」などとうたっていた。深浦町の登山関係者らによると、15人ほどの一行が小屋をほぼ占拠し、先に自分たちが確保したので出ていってほしい-との態度だったという。他の登山客はやむなく屋外にテントを張り、憤慨している人もいた。地元の山岳愛好会・白神倶楽部(くらぶ)の関係者は「山のルールから逸脱している。小屋は緊急避難目的で利用するのが常識であり、ホテルではない。引率したガイドが知らないはずがない」と指摘する。
避難小屋の利用に予約は必要なく、無料で誰でも使える。収容人員は約30人。雑魚寝なら20人程度は横になって体を休めることができる。白神岳頂上までは麓の登山口から片道4~5時間かかる。避難小屋は厳冬期も開放されており、行楽シーズンにはいっぱいになることもある。テントの準備は自己責任となる。
避難小屋の設置は、白神山地が世界遺産に登録される以前、白神岳が山岳誌で紹介されたことで登山者が増えた半面、遭難事故も増加したことが契機となった。登山者の安全確保を目的に、旧岩崎村の有志が全国から募った寄付金と村補助金を使って1985年に建設。町村合併を機に深浦町に寄贈され、町が管理・修復してきた。
白神山地が93年に世界遺産に登録された後、白神岳への登山者はピークで年間約4500人に達し、近年は約2000人が訪れる。避難小屋は、登山者の命を守り遭難事故を未然に防いできたが、長年の厳しい風雪により倒壊危機にあったため、町は昨年度、全国から寄付金を募り修復プロジェクトに着手。総額約2600万円の寄付が寄せられ、修復が実現した。
町観光課の米谷定(さだむ)課長は「全国の皆さんの支援で避難小屋が建て替えられたことは感謝に堪えない」とした上で、「登山者の安全を最優先に、節度ある利用をお願いしたい」と強調した。