【連載うまい森・味めぐり】人気のアンペそば復刻/藤崎

町民のラブコールで、およそ15年ぶりに復活した「アンペそば」。オリジナルより塩分控えめで幅広い客層に好評という

 青森県藤崎町が新名物として売り出し中の「アンペそば」。しょうゆベースのスープに海苔(のり)を練り込んだ麺を組み合わせたラーメンで、「鶏肉チャーシュー」や丸豆腐、ゴボウのきんぴらを使うのが特長。15年ほど前まで町内にあった食堂の人気メニューだったという。復活を望む有志の祈りが実を結び、町内3店舗で提供されるようになった。

 アンペというユニークな名前の由来は諸説あるが、有力なのは「少し間の抜けた長男坊」という意味らしい。お使いを頼まれて出掛けたのに、いつの間にか用事そっちのけでラーメンに夢中になっていたのだとか。

 もともとのアンペそばの店は2004年ごろ廃業してしまい、独特の味を惜しむ声が上がっていたことから、町が「ご当地グルメ復刻・考案プロジェクト」を立ち上げ昨年完成させたのが現在のアンペそば。ふじさき食彩テラス、北常盤駅併設「ラーメンカフェきたときわ」、イオン藤崎店「Hosho東花」の3店舗で提供している。

 「元祖は消防署の隣にあって農家のお客さんも多く、かなり塩気が強かったそうですが、味付けは健康志向に合わせてアレンジしました」。こう話すのは、食彩テラスの松丸良平店長(41)。ラーメンに鶏肉とゴボウ、丸豆腐という取り合わせの珍しさもあって、お客さんの評判は上々という。

「世界に誇る ふじ誕生の地」/平田博幸 藤崎町町長

 「アンペそば」は私も好きで、よく食べにいきました。復刻版は誰にでも好まれる味で、ご当地グルメとしてはお手軽な値段ですから、ぜひ味わってほしいですね。

 藤崎は世界一の生産量を誇るリンゴ「ふじ」が誕生した地であり、良質なニンニクや鶏卵は首都圏の消費者にも高く評価されています。若手農業者の会「ワゲモンド」も意欲的に活動しており、6次産業化の取り組みでは和風・洋風料理に便利な「トマトみそ」などの新商品が人気です。

 俳優・歌手の梅沢富美男さんも「ふじりんごふるさと応援大使」として藤崎をPRしてくださっています。地元グルメの頂点を決める「ふじワングランプリ」などのイベントと共に、町の魅力を発信したいと思います。

食の魅力一堂に集め/11月16、17日 秋まつり

 藤崎町のリンゴやコメなど自慢の食が味わえる収穫感謝祭「ふじさき秋まつり」が11月16、17の両日、スポーツプラザ藤崎などを主会場に開かれる。

 16日は「ふじ」発祥の地にちなんだ直径約2メートルのジャンボアップルパイが登場。17日は食味に優れたコメとして県内外で評判の「青天の霹靂(へきれき)」を10俵(600キロ)使ったジャンボおにぎりを作る。問い合わせは、町経営戦略課内・秋まつり実行委事務局(電話0172-88-8258)へ。


平田博幸 藤崎町町長

名物のジャンボおにぎり作りなどが人気の秋まつり

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