五所川原「かなぎ馬肉膳」徐々に浸透

5月に行われた「津軽かなぎ馬肉膳」の試食会

 青森県五所川原市金木町の飲食店と金融機関が連携し今夏から、地元産の馬肉を使った「津軽かなぎ馬肉膳」を販売している。地域の食文化を活用し、自分たちで考案した新たなおもてなし料理で誘客につなげようという試み。発売から2カ月余りがたち、提供している飲食店には予約が入り始め、徐々に認知度が高まっている。

 馬肉膳の提供を始めたのは、同地区の飲食店「和い和いだいにんぐ ちょこっとのんべさん」と「太宰らうめんと郷土料理『はな』」。両店と青森銀行金木支店が「津軽かなぎ馬肉料理研究会」を組織し、今春から本格的な販売準備を進めてきた。5月末の試食会を経て、7月にデビューを果たした。

 馬肉膳の特徴は馬肉鍋、ロースやたてがみなどの部位を使った馬刺し、県産リンゴのデザートなど共通メニューのほかに、店自慢の一品を加えて独自色を出していること。例えば「のんべさん」では人気メニューの馬肉ユッケと十三湖産シジミを使ったすまし汁を提供。「はな」は甘めの味に仕上げた茶わん蒸しとけの汁を加えた。価格は1人前1800円(税込み)。

 「県産食材は人気があって原価計算に苦労しましたが、このお膳一つで馬肉のさまざまな食べ方を楽しんでもらえると思います」とのんべさん店長の角田英希さん(40)。はなのメニュー作りを担当した葛西真弓さん(42)は「馬肉鍋一つをとっても味付けや使う野菜が違いまとめるのに苦労しました。そのかいがあって、この地域を感じられる膳になりました」と自信を見せる。

 現在は事前予約が必要だが、口コミなどでグループや団体客が訪れるようになったという。さらに関係者を喜ばせたのは、同地区の観光施設で観光客向けの新たなおもてなし料理として紹介されるなど、店と店、観光施設が協力する兆しが見え始めたこと。

 同地区は人口減少や高齢化、後継者難により店を閉める事業者が増え、空き店舗も目立つようになってきた。そのため、商店街、商業団体の活力が低下、店同士のつながりも希薄になっているという。

 また、津軽鉄道のストーブ列車、作家太宰治の生家「斜陽館」、津軽三味線会館などを目当てに訪れる外国人観光客は増えているものの、飲食店などの売り上げ増に結び付けられていないのが現状だ。馬肉料理研究会に参加する3店は馬肉膳をきっかけに馬肉を使ったカレー、肉まんを販売している事業者などとも協力して馬肉料理を観光資源の一つに育て上げるとともに、よりよい地域をつくりたいとの機運を醸成したいと考える。

 青銀金木支店の三國学支店長(54)は「事業者同士が同じ地域の仲間として紹介し合うなど、『食』を通して関係性が芽生えまとまり始めた。さらに進めて商売の利益や地域のにぎわいにつなげられるようにしたい」と期待を膨らませている。

 両店の連絡先は次の通り。

 「のんべさん」 五所川原市金木町朝日山419の1 電話0173-52-4168

 「はな」 同市金木町朝日山195の2 観光物産館マディニー内 電話0173-54-1160

ユッケとシジミ汁が特徴の「のんべさん」の馬肉膳

茶わん蒸しやけの汁で郷土色あふれる「はな」の馬肉膳

五所川原市

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