「恩返し」の人形で有志出陣へ/黒石ねぷた

書き割りを終えた人形ねぷたを見つめる黒志天命會の会員ら=7月上旬、黒石市内

 30日に開幕する黒石ねぷた祭りを活気づけようと、本年度に50歳の節目を迎える有志が出陣する。祭りで近年減っている人形ねぷたを制作。「祭りに興味を持つ子どもが増えてほしい」「故郷に恩返しを」。さまざまな思いを胸に、市街地を練り歩く。

 発起人は黒石市の八戸実さん(50)。人口減などによる祭りの衰退をなんとかしたい-と友人に人形制作を相談したところ賛同を得て、「黒志天命會(こくしてんめいかい)」を昨年4月に設立し、八戸さんは会長に就任。市内外から集まった会員は約60人にまで増えた。

 黒石ねぷた祭りはもともと出陣台数の多さも売りの一つ。最盛期の1980~90年代には人形、扇合わせ計70~80台が街をにぎわせた。しかし近年は人手不足などから減少が続き、昨年は人形3台、扇49台の計52台にまで落ち込んだ。

 八戸会長は「自分たちが子どものころは十数台の人形があり、よく小屋をのぞいて回り楽しんでいた。現状をなんとかしたかった」と語る。今年は同会のねぷたを含め人形4台、扇49台の計53台が出陣する。

 制作は黒石や青森ねぶた祭で活躍した村元芳遠(ほうえん)さん(69)=黒石市=に依頼した。人形制作は9年ぶりとなる村元さんは、3月に題材「愛染明王(あいぜんみょうおう)」の骨組み作業をスタート。「会の思いを応援したかった。お客さんを魅了するものが出来上がれば」と意気込む。

 当初500万円と見込んだ扇の前ねぷたなども含めた制作費用は大幅に上回りそうになったが、LED電球は県内を回り安い商品を買い集め、取り付けは会員で行うなど経費を削減。会費のほか市内外の企業などから支援を受け、めどを付けた。

 「想像以上に立派。さすが村元さんだ」。7月上旬、村元さんの工房で墨を入れる「書き割り」が終わった人形を見上げ、会員たちは目を輝かせた。人形の大きさは「幅、奥行き5メートル以下、高さ4.5メートル以下」の規定内ぎりぎりと迫力満点。八戸会長は「せっかく作るなら一番大きい人形を作りたかった」と話す。出陣は今年限りだが、会員の野呂貴憲さん(49)=同市=は「自分たちの姿を見て、後に続く人たちが出てきてほしい」と願う。八戸会長は「たくさんの人の協力で実現し感謝している」と語った。

 同会の人形は30日、8月2日の合同運行と、同17日に浅瀬石川河川敷で開かれる「ふるさと元気まつり」に出陣する。

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