「鳥海山北麓獅子舞番楽」国重要無形民俗文化財に指定へ 関係者ら、注目度の高まりに期待感

 秋田県由利本荘市とにかほ市に伝わる「鳥海山北麓獅子舞番楽」が、重要無形民俗文化財に指定される見通しとなった。地元保存会ら関係者は、指定による今後の注目度の高まりに期待感を示すとともに、後継者育成への意識を新たにした。

 「自分たちが生まれ育った地域の文化が認められた」。伊勢居地(いせいじ)、釜ケ台、冬師、小滝、横岡の5地区の保存会でつくるにかほ市保存協議会の会長を務める吉川栄一さん(77)=同市象潟町小滝=は吉報に声を弾ませた。小滝地区に生まれ、31歳で保存会に入って46年。はやし方として現在も時折舞台に上がる。「番楽は自分たちにとって当たり前の存在だが、今回の指定で価値を再認識できた」と語った。市川雄次市長は「地域の結びつきや人々の関心を高め、継承への機運が高まるきっかけになる」とコメントした。

 市文化財保護課によると、各地区の番楽はこれまで男性のみで継承してきたが、担い手不足解消に向けてはやし方に女性を加える保存会も現れている。市文化財・資料館資料調査員の齋藤一樹さん(65)は「まずは保存会同士を通じて、互いに技術力を高める流れが生まれれば」と話す。

 屋敷、坂之下、濁川の3地区の保存会で構成する由利本荘市保存協議会の会長で、屋敷番楽保存会顧問の藤谷弘一さん(71)=同市西沢=は「1演目でも多く若い人たちに伝承していかなければならない」と強調。2011年に重要無形民俗文化財に指定された同市の本海獅子舞番楽と同様、東京・国立劇場での演舞披露を目標に掲げた。

 湊貴信市長は「保存会、関係者の皆さまに心からお祝い申し上げる」と指定を祝福。市教育委員会文化財保護室専門員の三浦良隆さん(63)は「市内の番楽の歴史を語る上で貴重な芸能で、そろって指定されるのは非常に意義深い」とした上で、「地域振興や観光などにつながれば、担い手の励みにもなる」と話した。

由利本荘市

秋田
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