老舗菓子店や百貨店の閉店でにぎわいが失われている青森県弘前市土手町にクレープ店「クルックー」が22日オープンした。イトーヨーカドー弘前店（昨年9月末閉店）にあった「ポッポ」のクレープの味を受け継ぐ。初日から多くの市民らが詰めかけた。

　仕掛け人は人気お笑いコンビ「シソンヌ」のじろうさん＝弘前市出身。ポッポクレープの存続を求めるファンの声を受けて、弘前店で約30年間クレープを焼いた相馬洋子さん（62）に開店を打診した。

　開店場所は、昨年8月末に閉店した中三弘前店近くの蓬莱広場横。テイクアウト専門で、メニューは「ストロベリークリーム」など10種類。じろうさんお気に入りの「チョコスプレーバナナ」もある。店長の相馬さんによると、ポッポの味とほぼ同じという。価格は、若い人も買い求めやすい300～450円（税込み）に設定。

　オレンジ色で統一された店内にはじろうさんの書籍などが展示されている。

　この日、午前10時の開店前から、数十人の長い列ができた。午前7時から並んだ人もいた。

　チョコバナナなどをオーダーし、早速食べていた斉藤紗耶香（さやか）さん（27）＝弘前市＝は「やっぱりこの味。もちもちしておいしい」（56）と笑顔。母親の真寿美さん（56）は「店のオープンで土手町が明るくなってもらいたい」と話した。

　相馬さんは「クレープを食べて、土手町を散策してほしい。街のにぎわいづくりに少しでも貢献できれば」と語った。