まつりなくとも祈りの火/弘前・沢田地区

岩壁にろうそくを立て手を合わせる参拝者=24日午後7時5分、弘前市の沢田神明宮

 青森県弘前市沢田地区(旧相馬村)で約450年以上続く、家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)を願いろうそくに火をともし奉納する伝統行事が24日夜、同地区の沢田神明宮で行われた。

 この風習は、壇ノ浦の戦いで滅んだ平家(へいけ)の霊を供養したのが起源と言われる。

 同地区では2009年から奉納に合わせ参道前に出店を呼ぶ「沢田ろうそくまつり」を開催。多い年で約2千人が来場する地区随一のイベントだが、新型コロナウイルス流行で21年から中止した。今年は4年ぶりの開催を目指したが、準備が間に合わなかった。

 それでも、神明宮に祈りの明かりをともそうと、地区内外から多くの参拝客が訪れた。行事を取り仕切る沢田ろうそくまつり実行委員会が用意したろうそく約70本は全て完売した。

 市内の農業田澤真由美さん(65)は「まつりはないけど、お参りできてうれしい。作物が元気に育つようお願いした」。同地区に住む会社員大澤考雄(としかず)さん(37)は「地域の大事な伝統。自分たちが残していかなければ」と語った。

 まつり実行委員会委員長の三上昇さん(66)は「来年こそまつりを開催できるよう準備する」と語った。

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