弘前高校「鏡ケ丘記念館」10月に特別公開

130年もの間、弘前高校の生徒たちを見つめてきた旧校舎「鏡ケ丘記念館」

 弘前高校の正門から校舎へと進む途中に、130年もの間、生徒たちを見つめてきた学びやがある。開学から10年後にできた木造2階建ての西洋風建物は現在、資料館「鏡ケ丘記念館」として保存され、創立140年を迎えた同校の歩みを伝える。10月7日の創立記念式典に合わせ、館内が特別公開される予定だ。

 鏡ケ丘記念館は、1894(明治27)年1月に落成した旧県尋常中学校本館の中央部分。校舎建て替えで1958(昭和33)年に現在地へ移され、93年に県重宝の指定を受けた。浪人生らの予備校として使われていた時期もある。

 すり減った階段や始業を知らせる鐘、古い窓ガラスなどが長い歴史を物語る。八つの展示室では、戦前の教室を再現したほか、学校行事の写真や教科書、テスト問題、教科名の代わりに教諭の似顔絵を描いた時間割など、生徒らの様子を思い起こさせる資料が並ぶ。伝統行事「弘高ねぷた」の歴代写真、卒業生らの書や絵画も飾られている。

 校舎として使われていた約60年間に、1万人もの生徒が学業に励んだとされる。今も登下校の生徒たちを見守り、元校長室の和室が茶道部の茶室として使われるなど、黒塗りの堂々とした姿は生徒たちの思い出に刻まれてきた。

 館名の「鏡ケ丘」は、現在の弘前大学南塘グラウンドにあった鏡ケ池を見下ろす丘にある同校の愛称。鏡ケ丘同窓会の山上(やまのうえ)佳男会長(73)=36代校長=は「記念館は生徒たちが学校の伝統と歴史を感じる場所。大切に残していきたい。これからも生徒たちを見守ってくれると思う」と語った。

 同校は1884年8月20日創立。記念式典と祝賀会は10月7日、弘前市の弘前パークホテルで開かれる(申し込み締め切りは9月3日)。記念館特別公開は10月7、8日の午前中の予定。特別公開時以外は同校渉外部(電話0172-32-8545)への予約が必要。

戦前の教室を再現した部屋を案内する山上さん

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