42年間にわたって地元民や観光客に愛されてきた青森県弘前市桶屋町の日本料理店「すずめのお宿」が、今年いっぱいで店を閉じる。決まったお品書きはなく「おまかせ」一本で切り盛り。人気漫画「美味しんぼ」に取り上げられたこともある。店主の外崎義彦さん(68)は「寂しい気持ちはあるが、きれいなうちに店を閉めたい」と話している。
外崎さんは旧中里町出身。高校卒業後、料理の道に入り、県内の料理店で修業。27歳で同市新鍛冶町のかくみ小路に自分の店を持った。店名は、昔話「舌切りすずめ」から取った。
7年ほどたってから、現在の場所に移転。弘前さくらまつりなどに合わせて、毎年のように店を訪れる県外客も多い。JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」のディナーを担当したこともある。
「料理への思いが変わったような出来事」と振り返るのは、建築家の故黒川紀章氏をもてなしたこと。短い滞在期間、弘前での唯一の食事を担当した。「かなり緊張した。時間も量も限られた中でいい印象を持ってもらえるよう、ただ単に地元のものを出せばいいということではないんだと考えるようになった」と話す。
普段、店で提供する料理の内容も「お客さんが来るぎりぎりまで何を出すか完全には決まらない」。食べる人の年代や性別、どこから来るかなどを基に考えた席ごとに違うお品書きでもてなしている。
「面倒だと思ったことはない」というが、早朝の仕入れから、夜の営業まで働き通し。自分の体と相談して、昨年から店を閉めることを考え始めた。
外崎さんは「知らぬ間に42年もたっていた。決して一人でここまで来られたわけでなく、お客さんが自分を育ててくれた。支えてくれた人たちに何らかの形で恩返しができたら」と語る。
外崎さんは旧中里町出身。高校卒業後、料理の道に入り、県内の料理店で修業。27歳で同市新鍛冶町のかくみ小路に自分の店を持った。店名は、昔話「舌切りすずめ」から取った。
7年ほどたってから、現在の場所に移転。弘前さくらまつりなどに合わせて、毎年のように店を訪れる県外客も多い。JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」のディナーを担当したこともある。
「料理への思いが変わったような出来事」と振り返るのは、建築家の故黒川紀章氏をもてなしたこと。短い滞在期間、弘前での唯一の食事を担当した。「かなり緊張した。時間も量も限られた中でいい印象を持ってもらえるよう、ただ単に地元のものを出せばいいということではないんだと考えるようになった」と話す。
普段、店で提供する料理の内容も「お客さんが来るぎりぎりまで何を出すか完全には決まらない」。食べる人の年代や性別、どこから来るかなどを基に考えた席ごとに違うお品書きでもてなしている。
「面倒だと思ったことはない」というが、早朝の仕入れから、夜の営業まで働き通し。自分の体と相談して、昨年から店を閉めることを考え始めた。
外崎さんは「知らぬ間に42年もたっていた。決して一人でここまで来られたわけでなく、お客さんが自分を育ててくれた。支えてくれた人たちに何らかの形で恩返しができたら」と語る。