「つがる市稲垣まつり」30日初開催

チラシを手に「大勢の方々と交流できれば」と話す稲垣コネクトプロジェクトのメンバー=5日

 「つがる市稲垣まつり」が30日、市稲垣地区の中心部で初開催される。稲垣の在住者、出身者らが、大きな行事がない地元で人々のつながりを生み出し、地域を活気づけよう-と手作りで企画を練った。メインは綱引き大会で、露店もステージショーも充実した内容。関係者は「来場者に、来年も遊びに行きたいと思ってもらえる一日にしたい」と張り切っている。

 主催者は「稲垣コネクトプロジェクト」(黒滝一雄会長)。まつりで地域内外の人々やモノをつなごう-との願いを込めた団体だ。メンバーは60人弱。20~40代を中心に会社員、団体職員、農家など職業もさまざまで、イベント運営の経験がない人たちばかりだという。

 きっかけは、稲垣には地域の一大イベントがないこと。同プロジェクトによると、旧稲垣村時代は五穀豊穣(ほうじょう)を願う行事があり、地域ににぎわいをもたらしたが、住民の高齢化が進むなどしていつしか途絶えた。合併でつがる市になった2005年以降も、大きなイベントが開かれることはないままだという。

 「今のままでは地元の子どもたちに思い出はできないし、地域は衰退する。何とかしないと」。同プロジェクト顧問で建設会社代表取締役の桑田泰樹さん(51)は昨年末、そう考えて知人に相談。やがて共感する仲間が増え、自分たちでイベントを企画する方向になった。趣旨に賛同する若者も地元で集め、今年3月からは毎週、打ち合わせをしている。まつりの経費に市の補助はなく、協賛金などで賄う。

 まつりは稲垣体育館前を会場に午前9時開始。式典の後、8チームによる綱引きを約2時間行い、昼からは歌手の美咲綾花さんの演歌ライブ、青森市観光大使の「GMU(グルメミュージックユニット)」のライブを行う。午後3時まで。

 会場では飲食物やクラフトの露店計48店舗が並び、アイスの振る舞いもある。同プロジェクトを英語表記した名称に由来する「ICP」の文字をデザインしたTシャツも、1枚2千円(税込み)で販売する。

 団体職員の黒滝会長(48)は「稲垣で長年行事がなく、寂しかった。まつりを通じて子どもも大人も稲垣に愛着を持ってもらえれば。私たちは来年以降もまつりを続けられるようにしたい」と熱く語る。

 問い合わせは同プロジェクト事務局の三上幸久さん(電話090-4316-4611)へ。

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