「カッチャと料理」を観光に 青森県

津軽あかつきの会の森山さん(左)らに教わりながらいなりずしを作る参加者

 「カッチャと料理」を観光に-。青森県は本年度、県内での滞在型観光を推進しようと、津軽の郷土料理を旅行者自身が調理して味わう体験プログラムの開発に取り組んでいる。5日からの3日間は、旅行会社の社員ら県内外の3人がモニターとなり、弘前市石川地区を拠点に活動する「津軽あかつきの会」の手ほどきで郷土料理を学ぶプログラムをお試し体験した。

 同会は、食事の提供やレシピ本の出版など、郷土料理の伝承に取り組んでいる。体験は、同会の活動場所となっている同地区にある工藤良子会長の自宅で行った。モニターは、2泊3日で津軽みそやけの汁、サケとネマガリダケのいいずしなど8品の仕込みや調理に挑戦した。

 7日は、ウドと身欠きにしんの煮物、いがめんちなどを調理。赤くて甘い津軽流のいなりずし作りでは、たっぷりの砂糖と紅ショウガに驚きながらも「すごいきれいな色」などと声を上げ、和気あいあいとした雰囲気で手を動かした。

 モニターの一人、ライター・編集者で県観光PRアドバイザーの草刈朋子さん(50)=東京=は「生活に生かせる一生ものの技術を学ぶことができた。料理を通して津軽の風土が見える、一歩踏み込んだ旅になると思う」と評価。「あかつきの会の活動を壊さないよう、ただ体験をサービスとして受けるというより、交流しながら学び取っていく場になればいいのかな」とも語った。

 同会副会長の森山千惠子さん(72)は「作ってもらうというのが伝承の一番の目的で、ずっとやりたかったこと。ただ食べるだけでなく一緒に楽しく作って、津軽の料理が伝承されていければうれしい」と話した。

 県は今後、プログラムの内容や価格、販売方法などを改めて検討し、来年度以降、旅行商品としての販売実証などに取り組む。

お試し体験で作った津軽の郷土料理

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