大雨で休業、十二湖畔のそば店再開/深浦

「八景の池」湖畔にある手打ちそば店を再開させた秋穂さん=7日、深浦町十二湖

 津軽地方を襲った大雨から9日で2カ月。青森県深浦町岩崎地区の秋穂享子(こうこ)さん(31)は今年4月、東京からUターンし、故郷の十二湖畔に手打ちそば店を出したばかりだった。店自体に被害はなかったが、土砂で目の前の道路が通行止めとなり、1カ月半の休業を余儀なくされた。気をもむ日々が続いたが、9月下旬に通行が再開。紅葉本番を前に、新たな気持ちで再出発を切っている。

 秋穂さんは東京の短大を卒業後、栄養士や調理師を経て、そば打ちの経験を積んだ。過疎化が止まらない故郷を元気にしようと、世界自然遺産白神山地の麓にある十二湖「八景の池」湖畔の旅館跡を改修。隠れ家のようなイメージで「そばいろ茶屋」を出店した。

 県内だけでなく、県外の行楽客も徐々に訪れ始め、店が軌道に乗ろうとした矢先の大雨だった。「お盆の書き入れ時を前に食材を仕入れていた。災害が少ない地域だと思っていたのに…」。

 道が土砂に覆われる中、どうにかして店の様子を見に来ていたが、危険が伴うため間もなく通行止めになった。「実家で暮らしているので生活の不安はなかったが、通行止めはいつ解除になるのか」と心配が募った。

 ただ、前向きな気持ちは忘れなかった。休養しながら「これを乗り越えたら今後はどんな困難も乗り越えられるはず」との思いを持ち続け、9月23日に営業を再開させた。

 秋穂さんは十二湖の中で、白い断崖「日本キャニオン」が湖面に映る光景がお気に入りの一つ。その日本キャニオン周辺は甚大な被害を受けたが、透き通った群青色が人気の「青池」や、うっそうと茂るブナ自然林を巡るコースは復旧している。

 秋穂さんは「まずはひと安心。まだ土砂が残る道路もあるが、これから紅葉が始まるので、十二湖の魅力を満喫してほしい」と話している。

 今季の営業は11月27日まで。秋穂さんは狩猟免許を持っており、冬季はジビエの調理法を学ぶ予定という。

秋穂さんの手打ちそば

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