動物愛護の拠点に、ドッグラン開業へ/青森

整備を手伝いに来てくれたおいたちと、オープン間近のドッグランに立つ宮本理事長(手前)

 犬・猫の殺処分をなくそうと設立された青森市のNPO法人「Wish」が20日、同市鶴ケ坂地区にドッグランをプレオープンさせる。犬が楽しむ場としてだけでなく、飼い主の相談などにも応じ、動物愛護啓発の拠点となることを目指す。宮本理香子理事長は「愛犬の問題行動などに悩み、解決できないでいると、『捨てる』という行動につながることが多い。悪循環を断ち切りたい」と話している。

 同NPOは4月に設立。個人で犬・猫の保護活動をしている人など10人余りが会員となっている。宮本さんは今春、自己資金で鶴ケ坂地区に土地を購入し、フェンスの設置などドッグランの整備を行ってきた。

 愛玩動物飼養管理士やしつけインストラクターなどの資格を持つ宮本さんは、10年ほど前から県動物愛護センターのボランティアとして活動する一方、飼い主の見つからない犬を引き取ったり、飼うことのできる人を探したりする活動を個人で続けている。

 青森県において多くの犬・猫が殺処分されている状況に、「居ても立ってもいられない気持ちになった。この社会問題と真剣に向き合わなければ」と決意した宮本さんは、勤め先も辞め、NPO設立の準備を進めてきた。法人名には「命の重さを考える国、県であってほしい」との思いから、願いを意味する英語・wishを採り入れた。

 ドッグランは20、21日がプレオープン、23日から通常営業となる。中・大型犬用(約430平方メートル)と小型犬用(約160平方メートル)、プライベート用(同)の3区画を用意。プライベート用は訓練で使うほか、他の犬と一緒にいるのが苦手な犬のため、貸し切りで利用できるようにする(要予約)。敷地内には相談窓口となる事務所も設けている。

 「地域の人たちに動物愛護の大切さを周知したい。また、ここで得たお金を個人の保護活動家に出資して、動物愛護が活動家の“自己犠牲”で支えられている現状を変えられればと思う。そして、もっと行政にも関わってもらえるよう発信していきたい」と宮本さんは話している。

 ドッグランの営業時間は午前9時~午後4時で、月曜日が休み。利用料金など問い合わせは同NPO(電話090-2888-0177)へ。

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