連休初日、水槽を泳ぐペンギンを眺める親子連れ=29日、青森市の浅虫水族館

 3年ぶりに新型コロナウイルスの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ていない大型連休を迎えた29日、青森県内の観光施設には県内外から観光客が訪れ、コロナ前ほどではないものの、各所でにぎわいが見られた。観光関係者は「早くコロナ前(の状態)に」と期待を膨らませていた。

 八戸市の八食センターでは日中、駐車場がほぼ満車となる時間帯もあり、新鮮な魚介類や土産品を買い求める客で混み合った。駐車場には岩手ナンバーも目立った。上平靖文理事長は「2年前の大型連休は全館休業を余儀なくされたが、今年はコロナ禍前に近い。(地震で一部不通となった)東北新幹線の全線開通も大きい」と話した。

 弘前さくらまつりは前年より多くの観光客が訪れ、遅咲きの桜を楽しんだ。この日の弘前市は雨で、最高気温11度の肌寒い一日だったが、秋田県大館市から家族と訪れた会社員佐藤誠さん(39)は「コロナでいろいろなイベントが中止になっているので、雨だけど思い切って弘前に来た。小さな子たちに初めてまつりを体験させることができた」と語った。

 弘前公園に隣接する観光施設「津軽藩ねぷた村」によると、訪れる観光バスは「壊滅的」だった2020年よりは回復したものの、19年の半分程度。自家用車の割合はコロナ前より高めで、関東や関西、九州からも来ているという。檜山和大助役は「正直、もっと少ないと思っていた。早くコロナ前まで観光客数が戻ってほしい」と期待した。

 青森市の浅虫水族館は大勢の家族連れが見られた。同館によると、昨年の大型連休初日の来場者は821人だったが、今年は午後4時までに約2400人と大幅に増加。1日5回のイルカショーを6回に増やし来場者を分散させるなど、コロナ対策を工夫している。岩手県久慈市から訪れた小学3年生根井大知(たいち)君(8)は「大きな生き物も小さな魚も見られて面白かった」と笑顔で語った。

 五所川原市の「立佞武多(たちねぷた)の館」の駐車場は県外ナンバーの車が止まり、館内は土産品を買い求める個人客の姿が目立った。同館によると、4月の来館者数は昨年に比べ800人ほど増加。5月1日以降は10件を超える団体予約もあり、佐々木基一館長は「少しずつ明るい兆しが見え始めている」と話した。

 JRによると、新青森駅に着く下りの東北・北海道新幹線の乗車率は80%前後が多く、最高は東京午後3時20分発「はやぶさ253号」の85%。午後2時半ごろの新青森駅の新幹線ホームは、キャリーバッグを引いた利用客の姿も見られたが混雑はなかった。

3年ぶりに新型コロナウイルスに伴う移動制限がないゴールデンウイークが29日、始まった。八戸市の八食センターはコロナ禍以前に近いにぎわいに


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