伝統の味、丹精込め酸ケ湯で凍み豆腐作り

水分を抜くためワイヤにつるしていくと、白い豆腐で空が見えなくなった=20日午前、青森市酸ケ湯

 20日は一年で最も寒いとされる「大寒」。青森市の酸ケ湯温泉では厳冬期伝統の凍(し)み豆腐作りが行われ、従業員が湯治客に人気の食材を丹精込めて仕上げた。

 青森地方気象台によるとこの日、酸ケ湯の最低気温は氷点下9.1度、最高気温は同4.0度で、積雪は3メートル27センチだった。しかし作業が行われた午前中は穏やかな天気で時折、青空や大岳山頂が顔をのぞかせた。

 作業は木綿豆腐のパックに切れ目を入れ、2個ずつワイヤにつるしていく。24時間、寒風にさらすと、にがりの入った水分が抜け、程よい歯応えの凍み豆腐が出来上がるという。

 駐車場に設けた干し台で従業員が手分けして作業を進めると、程なくワイヤが白い豆腐でびっしりと埋まっていった。同温泉の山形太郎さんは「今年は雪が多く、寒さも厳しいので、いい仕上がりになりそう。寒い時季は鍋物の具材として味わってほしい」と期待を込めた。

 今年の凍み豆腐は例年並みの1400丁で、2月5日から同温泉の売店などで販売する。

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