応挙の幽霊画、真筆認定後初公開/弘前

国内に残る応挙の幽霊画としては唯一の真筆と認定されてから初の公開となった「返魂香之図」

 青森県弘前市の久渡寺(須藤光昭住職)に残る、江戸期屈指の画家円山応挙の幽霊画「返魂香之図(はんごんこうのず)」が27日、同寺で公開された。国内に残る応挙の幽霊画としては唯一の真筆と認定され、5月に市有形文化財に指定されることが決まってから初めての公開で、多くの人たちが供養に訪れた。

 絵は、幽霊画が描けず悩んでいた応挙のため自害し枕元に立ったとされる応挙の妻の命日、旧暦5月18日に毎年公開されている。

 文化財指定に向けての調査では、同寺に絵を寄進した弘前藩の家老が妻と妾(めかけ)を相次いで亡くし、その供養のため応挙に描かせたとみられることなども分かった。須藤住職は「みなさんも供養のため手を合わせてから、どうぞじっくりと見ていただきたい」と呼び掛け、「まぶたは20本もの細い線で描かれています」などと解説しながら、写実的な応挙の画業の世界へといざなっていた。

 中泊町から訪れた主婦岩川信子さん(69)は「とても穏やかな表情でこちらも心が穏やかになりました。和尚さまのお話が心に響きました」と話した。

 「足のない幽霊」を初めて描いたことで知られる応挙の幽霊画の中では、米カリフォルニア大学バークレー校付属美術館に寄託されている絵が、その印章などから真筆とされているが、国内に残るもので公的に真筆と認定されたのは、久渡寺の「返魂香之図」が初めて。8月13~15日も特別拝観が行われる予定。

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