津軽鉄道の「走れメロス号」の車両に作品を飾り付ける千葉さん=6日

 青森県五所川原市の創作キルト作家・千葉幸子さん(74)が10日から、津軽鉄道の車両を自作の古布アートで飾る「コト・コト・コットン キルト展」を開く。車内のほか沿線店舗でも作品を展示する。千葉さんは「沿線全体を一つの作品にした。列車に乗って古布の世界を堪能して」と話している。

 ファブリックアート「麻衣音(まいね)」を主宰する千葉さんは2020年、シンガポールの高級ホテルで個展を開き好評を博した。22年には同国国立博物館の特別展に出品する予定。

 今回の津鉄沿線キルト展では、4両の「走れメロス号」車内に、木綿の古布をアレンジした小作品17点を飾り付けた。沿線の芦野公園駅(同市金木町)に隣接する喫茶店「駅舎」にはシンガポールに出品した作品やオブジェなど約10点を、終着駅の津軽中里駅(中泊町)に併設された「駅ナカにぎわい空間」には約2メートル大のタペストリーなど数点を展示する。

 30代からキルトを独学してきた千葉さんは、清楚(せいそ)な女性をモデルにした、きめ細やかで印象的な作品を数多く制作。パリのルーブル美術館やアメリカ、ロシアなど海外でも高く評価されている。

 これまで地元で自作を披露する機会がほとんどなかったが、「列車の利用にも役立てられれば」と津鉄の協力を得て、キルト列車を企画。6日に、仲間とともに車両に作品の飾り付けを行った。千葉さんは「長い時間を経た古布には、幼いころの郷愁を呼ぶ風合いと質感がある。古布の温かみに触れてほしい」と期待を寄せている。

 キルト列車の運行は31日まで。期間中の13、18、23日午後1~3時、「駅ナカにぎわい空間」に千葉さんが駐在する。



五所川原市

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