伝説の石仏発見 岩の上、木に隠れて 150年以上前に製作か

岩の上で発見された大日如来坐像
 一関市の霊峰・室根山(895メートル)の西側の古道で、石仏の大日如来坐像が見つかり、住民の間で話題になっている。地元では「石仏がある」との言い伝えがあり存在は知られていたものの、これまで場所が分かっていなかった。開眼導師や石工も明記されており、市の文化財調査研究員は「地域史の調査研究に大きな役割を果たす」と貴重な発見を喜ぶ。

 石仏は「室根古道」と呼ばれる同市千厩町奥玉の登山道で3月に見つかった。荒沢不動明王の祭られる登山口から室根神社に向かって約20分歩くと、左側の高さ5メートルほどの岩の上にある。総高27・5センチ。木の枝で見えづらく、新緑の季節には葉で隠れそうだ。

 発見者は地元のガソリンスタンド店長の小野寺敏一さん(33)。3月に登山中、休憩で岩に腰を下ろした際に「視線を感じる」と見上げたところ、石仏があった。小野寺さんは郷土資料で石仏を調べたが載っておらず、郷土史研究者に情報提供した。

 市文化財調査研究員の畠山篤雄さん(66)らが調べたところ、石仏は智拳印(ちけんいん)と呼ばれる手の結び方や頭にかぶっている宝冠などから、金剛界大日如来坐像と判明した。

 石仏には安政5(1858)年、旧奥玉村の修験・蓮華院(れんげいん)が開眼導師として製造を先導し、「宝作」という石工が作ったとする刻字が残されていた。畠山さんによると、宝作は同市大東町渋民出身の「字彫り」の名工・佐藤宝蔵の祖父と推測される。

 室根山周辺には15世紀中頃から修験者が土着していたとされ、室根古道も修験者の道の一つ。草刈りなど古道を日々整備している奥玉地元学研究会の金(こん)安信会長(72)は「設置の由来は分からないが、年長者から聞いていた石仏が本当にあった」と発見を喜び、静かに手を合わせた。

一関市

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