静岡の高校生と「胸キュン」ポスター/鯵ケ沢高生徒

地域の魅力を発信するポスターを協働で完成させた鯵ケ沢高と浜松学芸高の生徒たち(鯵ケ沢町提供)

 鯵ケ沢高校SBP研究会は12~14日、浜松学芸高校(静岡県浜松市)の生徒らを地元・青森県鯵ケ沢町に迎え、協働で「地域魅力発信活動」に取り組んだ。一緒に町内を散策して写真撮影し、キャッチコピーを考え、「胸キュン♡PROJECT」と題してポスターを制作。通学で使う駅や地元の海など日常風景の中に、等身大の高校生の思いを凝縮した。鯵ケ沢高は今後も活動を継続し、カレンダー製作を目指す。

 両校は、地域資源を活用して活性化を目指すソーシャル・ビジネス・プロジェクト(SBP)活動の全国大会を通じて以前から交流。人口減少が急速に進み、地元の良さを実感できない若者が多いなど共通の地域課題も抱えている。浜松学芸高が本年度、文部科学省から「地域との協働による高校教育改革推進事業」の指定校に選ばれ、実践研究のフィールドとして鯵ケ沢高側に打診。鯵ケ沢町も協力して3日間の活動が実現した。

 参加したのは浜松学芸高側が社会科学部地域調査班の2年生5人と引率教諭2人、鯵ケ沢高はSBP研の1~3年生が連日10人ほどと担当教諭3人。ポスター制作は、浜松学芸高が地域の魅力発信のためにこれまでも取り組んできた手法。鯵ケ沢高生が提案した地元の胸キュンポイントを基に打ち合わせし、台風19号通過後の晴れ間を縫い、町内各所でロケを行った。

 登場する場所は、雨上がりのJR鯵ケ沢駅、夕暮れが迫るはまなす公園、青空が広がる鯵ケ沢漁港、神社の境内など。どこも鯵ケ沢高生には見慣れた景色だ。モデルも務めたSBP研リーダーの田中真優さん(3年)は「ポスターにしてみると、実際に見ている景色とは違う良さがあると感じた」、齋藤蒼(あおい)さん(同)は「いつもなら素通りするのに、普段と違う視点で鯵ケ沢の魅力に気付かされた」と新鮮な発見があった。

 キャッチコピーづくりにもこだわった。撮影した写真のシチュエーションから、すれ違う高校生男女の切ない思いなど“妄想フレーズ”を共有。5~6行の言葉を2時間ほどかけて紡ぎだした。須藤一汰(いった)さん(同)は「想像していたよりも格好良く仕上がった」と出来栄えに満足。顧問の木村朋之教諭は「生徒たちの感性と行動力に大人の側も驚かされた。ポスターが鯵ケ沢に人を呼ぶきっかけになればいい」と期待を寄せる。

 今回完成したのは6枚。鯵ケ沢名物のイカをモチーフにした「胸キュン♡-」のロゴマークは、芸術科のある浜松学芸高が担当した。鯵ケ沢高は今後、未使用の写真素材でポスター作成を継続。冬らしい場面も新たに撮影し、カレンダーとして仕上げて販売する案がある。キャッチコピーを入れ替えれば、町の観光PRポスターとしても活用可能という。

 作品は11月15、16日に青森市の県総合学校教育センターで開かれる「あおもり教育フェスタ」で展示される予定。

「あと何本」

「すれちがい」

「椅子一個分」

「あと少し…」

「もう少しだけ」

「強がり」

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